高利こうり)” の例文
むねつかへのやまひしやくにあらねどそも/\とこつききたるとき田町たまち高利こうりかしより三月みつきしばりとて十ゑんかりし、一ゑん五拾せん天利てんりとてりしは八ゑんはん
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
東京市の貧弱なる膨脹にんで、最低度の資本家が、なけなしの元手もとでを二割乃至三割の高利こうりまはさうと目論もくろんで、あたぢけなくこしらげた、生存競争の記念かたみである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
土台がきまると、山の貸元かしもとになって、坐っていて商売が出来るようになりました、高利こうりは貸します。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だい二の容疑者ようぎしゃは、金属きんぞくメッキ工場こうじょう技師ぎしけん重役じゅうやくであり、中内忠なかうちただしという工学士こうがくしだつたが、この人物じんぶつは、刈谷老人かりやろうじん高利こうりかねりていて、かなりくるしめられていたはずである。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
藩にて廉潔れんけつの役人と称し、賄賂わいろ役徳をば一切取らずとて、人もこれを信じみずからこれを許す者あれども、町人がこの役人へ安利やすりにて金を貸し、またはわざ高利こうりにてその金を預り
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)