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馬丁
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ばてい
ふりがな文庫
“
馬丁
(
ばてい
)” の例文
馬丁
(
ばてい
)
を連れていないので、別手組のひとりはここに馬の番をしていることになって、他のひとりが異人たちを案内して坂を昇って行きました。
半七捕物帳:58 菊人形の昔
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「ただ私の馬のかいばさえいただきませば、給料なぞは
下
(
くだ
)
さらなくともたくさんです。」と言いました。そして
馬丁
(
ばてい
)
にやとってもらいました。
黄金鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
何処の商店でも同じように、われ/\ぐらいの年配の小僧は、
体
(
てい
)
のいゝ労働者であって、日がな一日、体を激しく使う事は、
車夫
(
しゃふ
)
や
馬丁
(
ばてい
)
と殆んど択ぶ所はない。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
二台の馬車に、客はマバラに乗り込みぬ、去れど御者も
馬丁
(
ばてい
)
も
悠々
(
いう/\
)
寛々
(
くわん/\
)
と、炉辺に
饒舌
(
ぜうぜつ
)
を
皷
(
こ
)
しつゝあり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
もしも
何人
(
なんぴと
)
か彼を見た者があるとすれば、それは
馬丁
(
ばてい
)
とも次男ともつかない孤独の召使の男である。
作男・ゴーの名誉
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
▼ もっと見る
その中の一人がしつこく馬車の後ろの
馬丁
(
ばてい
)
台に乗っかって来るのを見つけた馭者が、いきなりそれを鞭でひっぱたいた。馬車は石ころに跳ねあがりながら駈けて行った。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
双互にただ黙会したのに過ぎないから、乞う、両位の令妹のために、その淑徳を疑うことなかれ。特に君が母堂の
馬丁
(
ばてい
)
と不徳の事のごときは、あり触れた野人の風説に過ぎなかった。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
例えば私は少年の時から人を
呼棄
(
よびすて
)
にしたことがない。車夫、
馬丁
(
ばてい
)
、
人足
(
にんそく
)
、
小商人
(
こあきんど
)
の
如
(
ごと
)
き下等社会の者は別にして、
苟
(
いやしく
)
も話の出来る人間らしい人に対して無礼な言葉を用いたことはない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
つまりそれなら馬車会社の
馬丁
(
ばてい
)
になるのがこの人の理想にかなっている。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
人の許諾を
経
(
へ
)
ずして
吾妻橋
(
あずまばし
)
事件などを至る処に振り廻わす以上は、人の軒下に犬を忍ばして、その報道を得々として逢う人に
吹聴
(
ふいちょう
)
する以上は、車夫、
馬丁
(
ばてい
)
、
無頼漢
(
ぶらいかん
)
、ごろつき書生、
日雇婆
(
ひやといばばあ
)
、産婆
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
馭者
(
ぎょしゃ
)
が二人、
馬丁
(
ばてい
)
が二人、
袖口
(
そでぐち
)
と
襟
(
えり
)
とを赤地にした揃いの白服に、赤い
総
(
ふさ
)
のついた
陣笠
(
じんがさ
)
のようなものを冠っていた姿は、その頃東京では欧米の公使が威風堂々と堀端を乗り歩く馬車と同じようなので
十九の秋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
堀の乗つてゐた馬が驚いて
跳
(
は
)
ねた。堀はころりと馬から
墜
(
お
)
ちた。それを見て同心等は「それ、お
頭
(
かしら
)
が打たれた」と云つて、ぱつと散つた。堀は
馬丁
(
ばてい
)
に馬を
牽
(
ひ
)
かせて、
御祓筋
(
おはらひすぢ
)
の
会所
(
くわいしよ
)
に
這入
(
はひ
)
つて休息した。
大塩平八郎
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
山猫
馬丁
(
ばてい
)
につきあたり
ポラーノの広場
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
馬車の
馬丁
(
ばてい
)
もあわてて手綱をひき留めようとしたが、走りつづけて来た二頭の馬は急に止まることが出来ないで、私の上をズルズルと通り過ぎてしまった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
馬
常用漢字
小2
部首:⾺
10画
丁
常用漢字
小3
部首:⼀
2画
“馬丁”で始まる語句
馬丁等