“ばてい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
馬蹄79.1%
馬丁20.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
月にほのめいた両京二十七坊の夜の底から、かまびすしい犬の声を圧してはるかに戞々かつかつたる馬蹄ばていの音が、風のように空へあがり始めた。……
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
半蔵はあの路傍のすぎの木立ちの多い街道を進んで来る御先導を想像し、山坂に響く近衛このえ騎兵の馬蹄ばていの音を想像し、美しい天皇旗を想像して
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
何処の商店でも同じように、われ/\ぐらいの年配の小僧は、ていのいゝ労働者であって、日がな一日、体を激しく使う事は、車夫しゃふ馬丁ばていと殆んど択ぶ所はない。
小僧の夢 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
二台の馬車に、客はマバラに乗り込みぬ、去れど御者も馬丁ばてい悠々いう/\寛々くわん/\と、炉辺に饒舌ぜうぜつしつゝあり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)