トップ
>
飛退
>
とびすさ
ふりがな文庫
“
飛退
(
とびすさ
)” の例文
「おお、
冷
(
つめて
)
え。
老人
(
としより
)
に
冷水
(
ひやみず
)
、
堪
(
たま
)
ったもんじゃねえ。」と
呟
(
つぶや
)
きつつ、打仰ぎて一目見るより、ひええ! と
反
(
そ
)
って
飛退
(
とびすさ
)
り、下駄を脱ぎて、手に持ちはしたれども
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もう一つ、平次には不思議な手練があって、むつかしい捕物に出くわすと、二三間
飛退
(
とびすさ
)
って、腹巻から
鍋銭
(
なべせん
)
を取出し、それを曲者の
面体
(
めんてい
)
目がけてパッと
抛
(
ほう
)
り付けます。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
見るより三加尻茂助は
飛退
(
とびすさ
)
り
汝
(
おの
)
れ重四郎助太刀の
案内
(
あんない
)
すると
僞
(
いつは
)
りて此所へ我々を引出し
欺
(
だま
)
し
討
(
うち
)
は
卑怯至極
(
ひけふしごく
)
なり其儀ならばと一刀引拔討て掛るを重四郎心得たりと身を
反
(
かは
)
し二
打
(
うち
)
三
打
(
うち
)
打合
(
うちあひ
)
しが
隙
(
すき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「姿を映して見るものなり、
御僧
(
おんそう
)
も鼻を映して見たまえかし。」といいさま鏡を差向けつ。蝦蟇法師は
飛退
(
とびすさ
)
りて、さも恐れたる風情にて鼻を飛ばして
遁去
(
にげさ
)
りける。
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さすがに尻餅はつきませんが、顔色を変えて
飛退
(
とびすさ
)
りました。
御家人
(
ごけにん
)
の竹といってちょっと好い男、
但
(
ただ
)
し、元は武家の出だというせいか、妙に人付きのよくない、飯田町中の嫌われ者でした。
銭形平次捕物控:033 血潮の浴槽
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
ジャムは二三尺
飛退
(
とびすさ
)
って、こちらを向いて、けろりとしたが、
衝
(
つ
)
と
駈出
(
かけだ
)
して見えなくなった。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何い、商売がどうしたと。」大喝一番腕まくりして向い
来
(
きた
)
るに、ぎょっとして
飛退
(
とびすさ
)
り、怨めしげに法会を
視
(
なが
)
めて
多時
(
しばし
)
は去りもやらず、彼がその日の収入に
大
(
おおい
)
なる影響あればなり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
紙片
(
かみきれ
)
は寸断し去って
袂
(
たもと
)
に葬り、勝手
許
(
もと
)
に
退
(
さが
)
らんと歩み
来
(
きた
)
る、片隅の
闇中
(
くらがり
)
より、黒きもの、ぬっと
出
(
い
)
づ。お秀「きゃっ!」と
飛退
(
とびすさ
)
れば、とんきょう声で「ばあっ。」と驚かす。
善
(
よ
)
からぬ
洒落
(
しゃれ
)
なり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、
榛
(
はん
)
の樹から出て来ながら、ひょい、とあとへ
飛退
(
とびすさ
)
った。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
飛
常用漢字
小4
部首:⾶
9画
退
常用漢字
小6
部首:⾡
9画
“飛”で始まる語句
飛
飛沫
飛騨
飛鳥
飛出
飛白
飛込
飛翔
飛行
飛石