トップ
>
頓狂
>
とんきやう
ふりがな文庫
“
頓狂
(
とんきやう
)” の例文
どうしてそんなことを言つたかは僕自身にもわからなかつた。すると女中は
頓狂
(
とんきやう
)
な調子で「あら、ほんたうにたかつてゐる」と言つた。
鵠沼雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
辰つアんはまたそんなことを言ひながら、叫びかける女共の聲へ
頓狂
(
とんきやう
)
な聲で答へたり、呼び込み口へ頭を突つ込んで、げすなことを吐き散らしたりした。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
八五郎は
頓狂
(
とんきやう
)
な聲を出しました。眞白なものが、格子を潜つて、暗い廊下を突つ切つたのです。
銭形平次捕物控:247 女御用聞き
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
すると、例の若い女は急に
頓狂
(
とんきやう
)
な声で笑ひ出し、そして、口早に軽侮の言葉を射放つた——
アリア人の孤独
(新字旧仮名)
/
松永延造
(著)
いひ終ると、見知らぬ男の子は
頓狂
(
とんきやう
)
な声をあげて、ヤンヤと自分の手を叩きました。
プールと犬
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
▼ もっと見る
「コーンニチワ……。」と露助は嘉吉を振り向きさま
頓狂
(
とんきやう
)
な声を出した。そして人の好い無邪気な笑顔で丸田にも
会釈
(
ゑしやく
)
した。嘉吉はポケットから細長の
紙函
(
かみばこ
)
を二個取り出してやつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
其
(
そ
)
の
手
(
て
)
を、
密
(
そつ
)
と
伸
(
の
)
ばして、お
薬
(
くすり
)
の
包
(
つゝみ
)
を
持
(
も
)
つて、
片手
(
かたて
)
で
円
(
まる
)
い
姿見
(
すがたみ
)
を
半分
(
はんぶん
)
、
凝
(
じつ
)
と
視
(
み
)
て、お
色
(
いろ
)
が
颯
(
さつ
)
と
蒼
(
あを
)
ざめた
時
(
とき
)
は、
私
(
わたし
)
はまた
泣
(
な
)
かされました。……
私
(
わたし
)
は
自分
(
じぶん
)
ながら
頓狂
(
とんきやう
)
な
声
(
こゑ
)
で
言
(
い
)
つたんですよ……
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ヒヤ/\、大ヒヤなど
頓狂
(
とんきやう
)
なる
叫喚
(
けうくわん
)
は他の一隅に
湧
(
わ
)
き上がれり
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
と、
夏繪
(
なつゑ
)
が
頓狂
(
とんきやう
)
な
聲
(
こゑ
)
を
立
(
た
)
てた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
焦
(
ぢ
)
れて
頓狂
(
とんきやう
)
に
啼
(
な
)
きさけぶ。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「しばらく……」と双方は親しさのあまり
頓狂
(
とんきやう
)
な挨拶を
交
(
か
)
はした。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
八五郎が
頓狂
(
とんきやう
)
な聲を出したのも無理のないことでした。
銭形平次捕物控:316 正月の香り
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小僧の佐吉は
素
(
す
)
つ
頓狂
(
とんきやう
)
な聲を出します。
銭形平次捕物控:298 匕首の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ガラツ八は
頓狂
(
とんきやう
)
な聲を出します。
銭形平次捕物控:165 桐の極印
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
頓狂
(
とんきやう
)
な聲を出します。
銭形平次捕物控:042 庚申横町
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“頓狂”の意味
《名詞》
頓狂(とんきょう)
調子はずれなさま。出し抜けなさま。
(出典:Wiktionary)
頓
常用漢字
中学
部首:⾴
13画
狂
常用漢字
中学
部首:⽝
7画
“頓狂”で始まる語句
頓狂声
頓狂者
頓狂聲