門人もんじん)” の例文
うで鉄砲傷てっぽうきず急所きゅうしょがそれておるし、ただいま、門人もんじん手当てあてをさせておるゆえ、べつだんなこともないようでござる」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
尊はその時分、神仙からさずかった秘法や禁厭まじないで附近の人びとの病気などをなおしていた。尊の噂が高まってくるとともにその門人もんじんとなる者もできた。太美ふとみ万彦よろずひこもその弟子の一人であった。
神仙河野久 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
この諸平もろひらのゐた時分じぶんに、近世きんせいでもっとも名高なだか香川景樹かがはかげきといふ歌人かじん京都きようとにゐました。非常ひじよう上手じようず評判ひようばんがあり、門人もんじんおほく、その一門いちもんさかえていままでもつゞいてゐるほどのひとでありました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
それでね孔子こうし門人もんじんのうちで、子路しろ一番いちばんすきだつてふんですがね。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
むろん、鐘巻一火かねまきいっか門人もんじんたちも、ただは見ていなかった。もし、の身にまちがいがあってはとひかまくからにして、こぞって、そこへ飛んできた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
門人もんじん——真雄の刀を取り寄せて、次の据物を斬らせてやらっしゃい』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そとのさわぎに、門人もんじんすべてではらって、まくのうちには人影ひとかげもない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)