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長日月
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ちやうじつげつ
さなきだに
彼の
憔悴した
顏は
不幸なる
内心の
煩悶と、
長日月の
恐怖とにて、
苛責まれ
※いた
心を、
鏡に
寫したやうに
現はしてゐるのに。
其廣い
骨張つた
顏の
動きは、
如何にも
變で
病的で
有つて。
と
最期の
用意あはれ
短き
契りなるかな
井筒にかけし
丈くらべ
振わけ
髮のかみならねば
斯くとも
如何しら
紙にあね
樣こさへて
遊びし
頃これは
君さまこれは
我今日は
芝居へ
行くのなり
否花見の
方が
我れは
宜しと
戯れ
交はせしそれ
一つも
願ひの
叶ひしことはなく
待にまちし
長日月のめぐり
來て
見れば
果敢なしや
世は