銀拵ぎんごしら)” の例文
掛たり引馬ひきうま一疋銀拵ぎんごしらへの茶辨當には高岡玄純付添ふ其餘は合羽籠兩掛等なり繼いて朱塗しゆぬりに十六葉のきくもんを付紫の化粧紐を掛たる先箱二ツ徒士五人打物うちもの
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
浅葱織色木綿あさぎおりいろもめん打裂羽織ぶっさきばおり裁附袴たっつけばかまで、腰に銀拵ぎんごしらえの大小を挿し、菅笠すげがさをかむり草鞋わらじをはくという支度である。旅から帰ると、三十一になるお佐代さんがはじめて男子を生んだ。
安井夫人 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
飴細工の狸みた様で、取廻しの処へ銀拵ぎんごしらえの銅金どうがねの刀をし白地の手拭で向鉢巻むこうはちまきをして飛下とびおりると、ズーンと地響きがする、腕なぞは松のの様で腹を立ったから力は満ちて居る
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かけ銀拵ぎんごしらへの茶辨當ちやべんたう合羽籠かつぱかご兩掛りやうがけあとより徒士かち四人朱網代しゆあじろ駕籠侍かござふらひ四人打物うちものを持せ常樂院天忠和尚てんちうをしやう引續ひきつゞいておな供立ともたてにて黒叩くろたゝき十文字のやりを持せしは山内伊賀亮やまのうちいがのすけなり其次にも同じ供立に鳥毛とりげやり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
面倒に思ひつゝ足にまかせて歩行あゆみける此金兵衞の行裝こしらへ辨慶縞べんけいじまの越後縮の帷子かたびら銀拵ぎんごしらへの大脇差し落し差に差て菅笠すげがさふか打冠うちかぶり鷲の宮迄來りけるこゝに畔倉重四郎は此頃つゞく不仕合に勝負しようぶの資本薄ければ忽然たちまち惡心あくしんはつし鴻の巣の金兵衞が大いにかつ在所ざいしよへ立歸るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)