つゐ)” の例文
朝又もちあぶりて食し、荊棘いばらひらきて山背をのぼる、昨日来もちのみをきつし未だ一滴の水だもざるを以て、一行かつする事実にはなはだし、梅干をふくむと雖も唾液つばつゐに出できたらず
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
縁の下へもぐり、天井裏を這ひ廻り、それから、庭石を引つくり返したり、井戸へあかりを下げたり、實に徹底的な家搜しをやりましたが、夕刻になるまで、つゐに何んの得るところもなかつたのです。
此に於て竹葉上に点々てん/\したたれる所のつゐめ、以て漸くかつす、吉田署長病再発さいはつあゆむにへず、つゐに他の三名と共に帰途きとかる、行者まゐり三人も亦こころさびしくやなりけん
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
つゐに将来大障碍をのこさしめたり、障碍しやうげとは何ぞ、一行は巍然ぎぜんたる燧岳眼前にあるを以て、そのふもとの尾瀬沼にいたらんには半日にしてれり、今夜其処にたつするをべしとかんがへしに
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)