逗留たうりう)” の例文
其時分そのじぶんはまだ一ヶのさういへ二十けんあつたのが、むすめて一にち、つひほだされて逗留たうりうした五日目かめから大雨おほあめ降出ふりだした。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「俺は暫らく樣子が見たい、お前一人で行つて見るが宜い。一年も逗留たうりうするやうなつらで、ドツカと腰を据ゑるんだ」
好むゆゑ精進しやうじんには甚だこまはて自然力も拔る樣に思ひしかば或日門弟中に向ひ扨々是迄は不思議ふしぎえんにて御世話に相成千萬かたじけなく猶又各々方の引止めに因て滯留たいりう致したなれ共某し國元にも道場だうぢやうこれある事なれば何時迄いつまでも長く逗留たうりうも相成難く且歸國がけ江戸表も見物致したく存ずれば名殘なごりつきねども最早御暇申さんと云に門人共も甚だ名殘なごり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もとより一借受かりうけて、逗留たうりうをしてつたが、かほどのなやみ大事おほごとぢや、大分だいぶんさねばならぬこと子供こどもろすにはからだ精分せいぶんをつけてからと、づ一にちに三ツづゝ鶏卵たまごまして
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)