こむ)” の例文
「どうせ此處ここらの始末しまつもしねえでつたんだから、一遍いつぺん途中とちうけえつてなくつちやらねえのがだからおなことだよ」勘次かんじはおしなのぞこむやうにしていつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
偖又大橋文右衞門は支度したく調とゝのひしかば稻葉家の藩中へと出行しあとへ彼の油屋五兵衞の番頭久兵衞は入來り文右衞門さんは御家おうちにかと云ながらつぐと上りこむゆゑ女房お政は是を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
すかし見るに生憎あひにく曇りて黒白あやめも分ず怖々こは/\ながら蹲踞つぐみ居ればくだんの者は河原へあがより一人の女を下しコレ聞よ逃亡者かけおちものと昨日から付纒つきまとひつゝやう/\と此所へ引摺ひきずこむまでは大にほね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)