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ことわ
ふりがな文庫
“
辞
(
ことわ
)” の例文
旧字:
辭
渡し守は、彼が渡し舟に乗るのを
辞
(
ことわ
)
らうとした。しかし、彼の腰にさしてゐる刀が
恐
(
こは
)
かつたので、黙つて向かふ岸へ渡してやつた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
これでは全く予期する処とちがった無益の住居と思って、折角好意を持ってくれた地主の尾入道にも
辞
(
ことわ
)
りも云わないで逃げ上って来ました
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
私
(
あたし
)
だって
彼様
(
あん
)
な窮屈な
処
(
とこ
)
へ
行
(
い
)
くよか、芝居へ行った方が幾ら
好
(
い
)
いか知れないけど、石橋さんの
奥様
(
おくさん
)
に無理に誘われて
辞
(
ことわ
)
り切れなかったンだもの。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
第一に雞のやうに赤い顔になるのが見ぐるしく今業平を以て自任する男振りが台なしになるから三盃以上は美人の勧めがあるほどお
辞
(
ことわ
)
りと決めてゐる。
飲料のはなし
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
其処
(
そこ
)
には又
千百
(
いろいろ
)
事情が御座いまして、私の身に致しますと、その縁談は実に
辞
(
ことわ
)
るにも辞りかねる義理に成つてをりますので、それを不承知だなどと
吾儘
(
わがまま
)
を
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
そこで栄蔵は、紙鳶は見たくなかつたけれど、きつぱり
辞
(
ことわ
)
ることも出来なかつたので、こんどのお休みに行くといふことにきめた。
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
来る
度
(
たび
)
に何のかのと申しますのを、
体好
(
ていよ
)
く
辞
(
ことわ
)
るんで御座いますけれど、もう
憥
(
うるさ
)
く来ちや、
一頻
(
ひとつきり
)
なんぞは毎日
揚詰
(
あげづめ
)
に為れるんで、私はふつふつ
不好
(
いや
)
なんで御座います。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
一昨日
(
おとつい
)
昇に
誘引
(
さそわれ
)
た時既にキッパリ
辞
(
ことわ
)
ッて行かぬと決心したからは、人が騒ごうが騒ぐまいが
隣家
(
となり
)
の
疝気
(
せんき
)
で
関繋
(
かけかまい
)
のない
噺
(
はなし
)
、ズット澄していられそうなもののさて居られぬ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
だがそれらの家々を
廻
(
まわ
)
りはじめて四軒目に木之助は深く心の内に失望しなければならなかった。どの家も、申しあわせたように木之助の門附けを
辞
(
ことわ
)
った。
最後の胡弓弾き
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
無暗
(
むやみ
)
に貰うのは余りドットしませぬから、この縁談はまず
辞
(
ことわ
)
ッてやろうかと思います
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
これはよしんば奴の胸中が見え透いてゐたからとて、勢ひ
辞
(
ことわ
)
りかねる人情だらう。今から六年ばかり前の事で、娘が十九の年
老猾
(
おやぢ
)
は六十ばかりの
禿顱
(
はげあたま
)
の事だから、まさかに色気とは想はんわね。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「ございません。私の方からお
辞
(
ことわ
)
りしました。これでいいのです。私は十年も昔、人様にいはれない悪いことをしましたので、その報いはみな受けねばなりません。」
良寛物語 手毬と鉢の子
(新字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
「ヘー、見当も有りもしないのに
無暗
(
むやみ
)
に
辞
(
ことわ
)
ッておしまいなすッたの」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
一、登場人物は×名
位
(
くらい
)
が好都合である。一、明朗健全にして、国民性をよく発揚しているものたること。そしてこれは
辞
(
ことわ
)
ってはないが、芸術的にすぐれた作品でなければならぬことは
勿論
(
もちろん
)
である。
童話における物語性の喪失
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
辞
常用漢字
小4
部首:⾟
13画
“辞”を含む語句
返辞
讃辞
辞儀
言辞
辞退
別辞
台辞
世辞
遁辞
措辞
弔辞
楚辞
空世辞
諛辞
辞義
悼辞
辞柄
固辞
美辞
辞別
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