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軒輊
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けんち
ふりがな文庫
“
軒輊
(
けんち
)” の例文
「ウェールズ国中の最も小なる二郡とあえて
軒輊
(
けんち
)
なき人口を有するに過ぎざる二小国(トランスヴァールとオレンジ自由国)」
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
夫
(
そ
)
れ見と信と行とは、吾人の宗教生活に於ける三大要義也。三者は
相済
(
あひな
)
し
相資
(
あひたす
)
けて、其の価値に
軒輊
(
けんち
)
すべき所あるを見ず。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
前にも云つたやうに、将軍の一行には蘭方医と漢方医とが
相半
(
あひなかば
)
してゐた。其人物の貫目より視ても、両者は
輒
(
たやす
)
く
軒輊
(
けんち
)
すべからざるものであつた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
その
嬰児
(
えいじ
)
の如き赤心を以て、その子弟を愛し、
自
(
みず
)
から彼らの仲間となり、彼らの中に住し、彼らの心の中に住するに到りては、二者
豈
(
あ
)
に
軒輊
(
けんち
)
あらんや。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
遮莫
(
さもあらばあれ
)
斎藤緑雨
(
さいとうりよくう
)
が
彼
(
かの
)
縦横の才を蔵しながら、句は遂に
沿門※黒
(
えんもんさくこく
)
の
輩
(
はい
)
と
軒輊
(
けんち
)
なかりしこそ不思議なれ。(二月四日)
骨董羹:―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文―
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
今日でも全く人の意識から離れ去ったわけではないけれども、各自これを守る心づかいに至っては、多大の
軒輊
(
けんち
)
を免れぬ。王維が九日山東の兄弟を
懐
(
おも
)
うの詩
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
若し果してそうならば、社会生活と個人生活とはたしかに
軒輊
(
けんち
)
するであろう。私にはそうは思われない。社会の欲求もまたその終極はその生活内部の全体的飽満にあらねばならぬ。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
さてわれは姫に
對
(
むか
)
ひてかたばかりの詞を掛けしに、その答いと優しく、他の親族の人々と我との間に、何の
軒輊
(
けんち
)
するところもなき如し。こは此
御館
(
みたち
)
に來てより、始ての
欵待
(
もてなし
)
ともいひつべし。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
なあに三島だつて自分だつて、腦力にさう
軒輊
(
けんち
)
が在る譯はないのだ。無いどころか、自分の方が卒業の成績さへよかつたのだ。そして受驗前の問答なぞでも、自分の方がずつと知つてゐたのだ。
受験生の手記
(旧字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
国重は師の名を犯せしが名声
揚
(
あが
)
らざりしかば
幾何
(
いくばく
)
もなくして業を廃せしといふ。その作
元
(
もと
)
より初代豊国に比する事
能
(
あた
)
はざれど今日に至りてこれを見れば同門の国貞
国政
(
くにまさ
)
らと並びて更に
軒輊
(
けんち
)
なし。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今日嘖々される諸作と比べても決して
軒輊
(
けんち
)
する処がない。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
己
(
おのれ
)
は智者を以て自ら居るわけではないが、己と四郎左衛門との間には
軒輊
(
けんち
)
する所は無い筈だと云つた。鈴木君は
内外典
(
ないげてん
)
に通じた学者で、
荒尾精
(
あらをせい
)
君等と国事を
謀
(
はか
)
つてゐた人である。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
個人的欲求と社会的欲求とが
軒輊
(
けんち
)
するという考えは
根柢的
(
こんていてき
)
に間違っている。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「それだけ読めれば、君と僕との間に、何の
軒輊
(
けんち
)
すべき所も無いね。」
二人の友
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
逍遙子はその作の度量によりて詩人の優劣を定めずといふと雖、詩人は叙情詩を作ることに慣るゝと、戲曲を作ることに慣るゝとによりて、逍遙子がために其作の度量を
軒輊
(
けんち
)
せらるゝことを免れず。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
“軒輊”の意味
《名詞》
高低。あがりさがり。
軽重。優劣。
(出典:Wiktionary)
軒
常用漢字
中学
部首:⾞
10画
輊
漢検1級
部首:⾞
13画
“軒”で始まる語句
軒
軒端
軒下
軒燈
軒先
軒昂
軒並
軒行燈
軒前
軒家