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「さだめし、そちの髀肉ひにくも、だいぶ肥えたであろう。即刻、信貴山しぎさんにおる信忠の加勢にけ。——こんどは陣中で喧嘩などすな」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なお彼の筑紫つくし落ちには、あまたな武士が、付き従うなど——尊氏がくところ、何せい、衆和と士気の高さがうかがわれまする
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
世上の口はうるさいもの、大事な場所へかれる矢先に、あらぬ噂でも流れてはと、父の丹左衛門が案じるので、取計らったまででござる。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寄手の将の木下殿より懇々こんこんと、時勢のくところを説かれ、大義のため小義をすてよとのおすすめに屈し、遂に、これへ同道いたしました。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夏侯楙かこうも、すでに敗れ、魏の国難迫る今、あなたがそんなことを仰せられては、誰が総大将になってくものがいましょうぞ
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
藤田伝五や四方田政孝などが痛言した——この気持のままでは戦場へけない——という悶々もんもんたるものは、光秀の胸にも勿論あるにちがいない。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わけて、中入りの戦いに、切レを取り損じては、九仭きゅうじんこう一簣いっきに欠こう。くれぐれも、引揚げの機を誤るなよ。風の如くいて、風の如く去れよ
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
位階は四位、職級は、四等官で、国司の下にはなるが、一国の知事であり、もちろん、任地にはかず、京にあって、俸禄ほうろくだけを受けるのである。
さきに、顕家と別れて、この吉野へ来ておられた義良よしなが親王は、そのため三たび、陸奥みちのくの任へ就いてくことになった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
郝昭は太原たいげんの人、忠心凛々りんりんたる武人の典型である。その士卒もみな強く、くに先だって、鎮西将軍の印綬いんじゅを拝し
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だが、佐助の眼にも、そう怪しまれるほど、武蔵は、この舟が目的地へくあいだ、何も考えることがなかった。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
然るに、常陸介維茂の息、為憲、みだりに公威をかり、冤枉ゑんわうを逞しうす。ここに将門の従兵、藤原玄明の愁訴により、その実をたゞさんと、彼の国府にく。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「五年で帰るか、十年で戻るか、行く手も知れぬ世の中の峰をさして、わしらは修行にく。父上への孝道は、これ一筋と、思い極めてくのだ。頼むぞ、後は」
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
胡夷えびすの子、朝威を怖れず、どこへこうとするか。あらば出でよ、人間の道を説いてやろう」
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その紅顔の子顕家が、今日の国難にく奥州軍の総帥そうすいだった。思わぬ任地へ来て二年、北国の朔風さくふうに研がれた馬上の子は、その生涯の方向を、いまは誰かに決定づけられていた。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「地の利は、官兵衛が明るく、兵の進退には、竹中半兵衛が詳しい。何か憂えんじゃ。秀吉はただ床几しょうぎを進めるばかりよ。この金瓢きんぴょう馬印うまじるしは、ふたりの案内でどうにでもくぞ」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
隠岐遷おきうつしの警衛にくとあっては容易でない。何かの準備もたいへんだろう」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、城将の不破広綱ふわひろつなは、いかだに白旗をかかげて、みずから秀吉の陣に
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
なぜならば、時流の大勢はもうくべき方向を決してゐたからである。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
なぜならば、時流の大勢はもうくべき方向を決していたからである。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すでに一万余の隊列は、どうどうと、何物にもはばめられない滝津瀬たきつせの水にも似ていた。加速度に脚は早くなってくる。くも止まらず、はばめるもかれず、遂に、くところまで赴くものとなった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何を思われたか、入道殿には、にわかに福原へかれたそうな」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「勅使、魏王宮にく」と、となえて禁門から出たのであった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われこそと名乗りでて、その至難にこうという者がない。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「楠木勢の押さえにくご用意がおありであろうか」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ここはよし。彼の軍を救援にけ」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はやけ」と、餞別はなむけした。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「よし。——け——」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「福原へこう」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
新院方へく。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「われかん」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
京都へくあり
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)