貧乏びんぼふ)” の例文
それはおぢさんが貧乏びんぼふなために、金持かねもちのやうに大切にしてやられなかつたからだ。だがおぢさんにはまだ二人ふたり子供こどもがある。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
少々せう/\さむし、不景氣ふけいき薄外套うすぐわいたうそで貧乏びんぼふゆすりにゆすつてると、算木さんぎ四角しかくならべたやうに、クツシヨンにせきつてきやくが、そちこちばら/\と立掛たちかゝる。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
農夫のうふ貧乏びんぼふの者なりしゆゑ六百ときゝて大によろこび、焼飯やきめし二ツを出して六百の銭にかへけり。
おぢさんはながいこと、いつも、きみたちにいいほんをこしらへてあげたいとおもつてゐた。けれど貧乏びんぼふではほんけない。今度こんどやつとのことで、このほんをつくることができた。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
農夫のうふ貧乏びんぼふの者なりしゆゑ六百ときゝて大によろこび、焼飯やきめし二ツを出して六百の銭にかへけり。
おぢさんはきみたちのおとうさんやおかあさんとおなじやうに貧乏びんぼふだ。そしてきみたちのやうな元氣げんき可愛かあい子供こどもつてゐる。去年きよねんは六つになるスミレといふをんな一人ひとりくした。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)