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びんぼふ
おぢさんは
永いこと、いつも、
君たちにいい
本をこしらへてあげたいと
思つてゐた。けれど
貧乏では
本も
書けない。
今度やつとのことで、この
本をつくることができた。
農夫は
貧乏の者なりしゆゑ六百ときゝて大によろこび、
焼飯二ツを出して六百の銭に
替けり。
おぢさんは
君たちのお
父さんやお
母さんと
同じやうに
貧乏だ。そして
君たちのやうな
元氣な
可愛い
子供を
持つてゐる。
去年は六つになるスミレといふ
女の
子を
一人亡くした。