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豪儀
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がうぎ
「フン、女の
癖に二合も
飮けりや
豪儀だゼ。」とお房は
冷に謂ツて、些と傍を向き、「だツて、
一月儉約して
御覧なさいな、チヤンと
反物が一
反購へますとさ。」
「
葭町へ出るのか。そいつア
豪儀だ。子供の時からちよいと口のきゝやうのませた、
好い
娘だつたよ。
今夜にでも遊びに来りやアいゝに。ねえ、お
豊。」と
宗匠は急に元気づいたが
豪い、
東京の
客を
魅すのは
豪儀だ。ひよい、と
抱いて
温泉宿の
屋根越に
山を
一つ、まるで
方角の
違つた
処へ、
私を
持つて
来た
手際と
云ふのは
無い。
何か、
此の
辺に、
有名な
狐でも
居るか。