豪儀がうぎ)” の例文
「フン、女のくせに二合もけりや豪儀がうぎだゼ。」とお房はひやゝかに謂ツて、些と傍を向き、「だツて、一月ひとつき儉約けんやくして御覧ごらんなさいな、チヤンと反物たんものが一たんへますとさ。」
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
葭町よしちやうへ出るのか。そいつア豪儀がうぎだ。子供の時からちよいと口のきゝやうのませた、だつたよ。今夜こんやにでも遊びに来りやアいゝに。ねえ、おとよ。」と宗匠そうしやうは急に元気づいたが
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
えらい、東京とうきやうきやくだますのは豪儀がうぎだ。ひよい、といて温泉宿をんせんやど屋根越やねごしやまひとつ、まるで方角はうがくちがつたところへ、わたしつて手際てぎはふのはい。なにか、へんに、有名いうめいきつねでもるか。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「そいつは豪儀がうぎだが——」