)” の例文
いやう、なにも御存じで、ばばなぞがういふも恐多おそれおおいやうな御人品ごじんぴんぢや、さやうならば行つてござらつせえまし。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
世間一般普通の人々にはそれでよいので、その間にう言うような問題は何んにも彼等の間には起っていない。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
それだのに手前てめえ嫉妬やきもちをやかれちゃア詰らねえよ、おれは幽霊に怨みを受ける覚えはねえが、札を剥せば萩原様が喰殺くいころされるか取殺とりころされるにちげえねえから
不埓な奴だ、旅だから許してやる、さっ/\とけ、う云えば承知致さぬぞ、さっさっと行け
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
何分留守で仕様がなし、先方さきからは急ぐ、何うもうも断りようが無いから、今日大津の銚子屋で見合をして、お藤が得心の上は粥河様方へ縁附けるから一寸ちょっと知らせる
藤「兎やう仰しゃるだろうが、直にお連れ申して来いと、お内儀さんが仰しゃるので」
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
作「先方せんぽうへ往って話をするんだがネ、元はさむれえだが食い方に困るから商売しょうべえをするッて、それを咎める理合りええは有ンめえと云う処を押して、此方こっちで兎やういえば殺されると云うんだ」
新「なんだこのたわけめ、これ此処こゝ何処どこと心得てる、天下の直参の宅へ参って何だ此の馬鹿者め、奥方、宗悦がたべ酔って参ってう申して困るから帰して下さい、よう奥方」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
甲「それを云ったがだめだよ、廉く売ったっておらを咎める理合りええは有んめえ、何で咎めるかサア返答ぶて、斯う云う、己ア元さむれえだ、百姓風情が兎やう咎めだてをすれば打斬ぶちきってしまうと脅かすだア」