トップ
>
虚栄心
>
きょえいしん
ふりがな文庫
“
虚栄心
(
きょえいしん
)” の例文
それがわずかに「わが青海流は都会人の
嗜
(
たしな
)
みにする泳ぎだ。決して
田舎
(
いなか
)
には落したくない。」そういっている父の
虚栄心
(
きょえいしん
)
を満足させた。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
父のひとりよがりや、
虚栄心
(
きょえいしん
)
や、さもしい
見栄
(
みえ
)
や、けちな
量見
(
りょうけん
)
は、事ごとに濃厚に表われて、いちいち私をくさくささせるばかりであった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
あるいは着物が着たいとか、高位につきたいとか、人に
褒
(
ほ
)
められたいとか、世の中に大きな顔がしたいとかいうは、
虚栄心
(
きょえいしん
)
を
充
(
み
)
たす理想である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
けれどわたしのばかな
虚栄心
(
きょえいしん
)
はかれのいまのことばを聞くと、すうとけむりのように消えて行かなければならなかった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
世俗的な
虚栄心
(
きょえいしん
)
が無い訳ではないが、なまじいの仕官はかえって
己
(
おのれ
)
の本領たる
磊落
(
らいらく
)
闊達を害するものだと思っている。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
しかし
彼女
(
かのじょ
)
はそれまで私が心の中で育てていたツルとはたいそうちがっていて、
普通
(
ふつう
)
のおろかな
虚栄心
(
きょえいしん
)
の強い女であることがわかり、ひどい
幻滅
(
げんめつ
)
を味わったのは
花をうめる
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
ああ、なんという
自分
(
じぶん
)
たちの
先祖
(
せんぞ
)
たちは、
虚栄心
(
きょえいしん
)
が
強
(
つよ
)
かったでしょう。
私
(
わたし
)
は、
名
(
な
)
もない、つまらない
鳥
(
とり
)
になりたいものです。そうしたら、
不安
(
ふあん
)
なしに、一
生
(
しょう
)
を
送
(
おく
)
られるでありましょう。
すみれとうぐいすの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
自分ももと芸者であったからには、不粋なことで人気商売の芸者にケチをつけたくないと、そんな思いやりとも
虚栄心
(
きょえいしん
)
とも分らぬ心が
辛
(
かろ
)
うじて出た。自分への
残酷
(
ざんこく
)
めいた快感もあった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
男と競争しても
敗
(
ま
)
けはしないぞといったような男子に対する一種の
復讐
(
ふくしゅう
)
的な気持ちも加わっていて、自分にもはっきり意識しない
虚栄心
(
きょえいしん
)
もそれに手伝っていたのである。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
そればかりでなく、
品物
(
しなもの
)
の
使
(
つか
)
い
道
(
みち
)
がまた
死
(
し
)
んでいた。というのは、
金持
(
かねも
)
ちの
奥
(
おく
)
さまや、
令嬢
(
れいじょう
)
がたが
着
(
き
)
るためであって、ただそうしたおしゃれの
人
(
ひと
)
たちの
虚栄心
(
きょえいしん
)
を
満足
(
まんぞく
)
させるに
役立
(
やくだ
)
つだけだった。
心の芽
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
虚栄心
(
きょえいしん
)
の
強
(
つよ
)
い
小鳥
(
ことり
)
どもが、いばり
出
(
だ
)
すのは、しゃくだというのだ……。
風と木 からすときつね
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“虚栄心”の意味
《名詞》
見栄を張りたいという心。
(出典:Wiktionary)
虚
常用漢字
中学
部首:⾌
11画
栄
常用漢字
小4
部首:⽊
9画
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
“虚栄”で始まる語句
虚栄
虚栄坊
虚栄家
虚栄市