藥師やくし)” の例文
新字:薬師
所持しよぢせし事故を糺されしに申口不分明ふぶんめい故町奉行所へ送りになり入牢申付られたり因て女房は大いにおどろき己病中なれども夫の罪のかるく濟やうにとて茅場町かやばちやう藥師やくし朝參あさまゐりを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
みづを……みづをとたゞつたのに、山蔭やまかげあやしき伏屋ふせや茶店ちやみせの、わか女房にようばうは、やさしく砂糖さたうれて硝子盃コツプあたへた。藥師やくし化身けしんやうおもふ。ひとなさけは、ときに、あはれなる旅人たびびとめぐまるゝ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ちらり姿すがたなつすだれごしくやれゆゑしみてか藥師やくしさまの御縁日ごゑんにちにそヾろあるきをするでもなく、ひとまちがほ立姿たちすがたかどにおがみしこともなけれど美人びじんこの近傍かいわいにかくれなしとくは
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)