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葬禮
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さうれい
葬禮の納め物となすならば寺へこそ
納める
筈なれ何ぞ
燒場へ納めると云
法の
有んやサア
尋常に白状致せ不屆者め
夫責よと言葉の下より
手先の者共
笞を
揚て左右より彌十の
股を
或は
暑中に
葬禮の
日を
延して
死人の
腐敗するもあり。
味氣ない世に
葬禮の
柝を
叩く
隱しませう
其品は
葬禮の時の
納め物なれども
然樣申上なば御
疑ひが
懸らうかと存じ
重代の品と申上しかど
實は
死人の
納め物なりと申ければ役人
扨々爾ぢは不屆き者なり此脇差は
中仙道鴻の巣の鎌倉屋金兵衞と云者の
所持の品にて其子分なる
練馬藤兵衞と云者に
貸遣したる脇差なり然る所其
後右藤兵衞
等外二人の
行衞は