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色町
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いろまち
ふりがな文庫
“
色町
(
いろまち
)” の例文
が、あの暗を払つてゐる竹藪と、この陽気な
色町
(
いろまち
)
とが、向ひ合つてゐると云ふ事は、どう考へても、嘘のやうな気がした。
京都日記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
わたくしは踊子部屋の光景——その
暗惨
(
あんさん
)
とその乱雑とその
騒
(
さわが
)
しさの中には、場末の
色町
(
いろまち
)
の近くなどで、時たま感じ得るような
緩
(
ゆるや
)
かな
淡
(
あわ
)
い哀愁の情味を
勲章
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
この恋物語を書く必要上、ここでその当時に於ける京の
色町
(
いろまち
)
に
就
(
つ
)
いて、少しばかり説明を加えておきたい。
鳥辺山心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
今ごろそんなことを
穿鑿
(
せんさく
)
する者も無いのが当然だが、是が今一つ以前の社会相、すなわち人がめったに生まれ在所の外に旅をせず、茶屋も
色町
(
いろまち
)
もまだ備わらなかった世の中において
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
啻
(
たゞ
)
に美しい顔、美しい肌とのみでは、彼は中々満足する事が出来なかった。江戸中の
色町
(
いろまち
)
に名を響かせた女と云う女を調べても、彼の気分に
適
(
かな
)
った味わいと調子とは容易に見つからなかった。
刺青
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
道子
(
みちこ
)
は
小岩
(
こいは
)
の
色町
(
いろまち
)
へ
身売
(
みうり
)
をした
時
(
とき
)
の
年季
(
ねんき
)
と、
電話
(
でんわ
)
の
周旋屋
(
しうせんや
)
と一
緒
(
しよ
)
に
暮
(
くら
)
した
月日
(
つきひ
)
とを
胸
(
むね
)
の
中
(
うち
)
に
数
(
かぞ
)
へ
返
(
かへ
)
しながら
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
場所は
色町
(
いろまち
)
、酒の上の口論、しかも
朋輩
(
ほうばい
)
を討ち果したというのでは、どんな
贔屓眼
(
ひいきめ
)
に見ても弁護の
途
(
みち
)
がない。切腹の上に
家
(
いえ
)
断絶、菊地半九郎は当然その罪に落ちなければならなかった。
鳥辺山心中
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
君江の目にも
寐静
(
ねしずま
)
った路地裏の情景が一段
艶
(
なまめか
)
しく、いかにも
深
(
ふ
)
け渡った
色町
(
いろまち
)
の夜らしく思いなされて来たと見え、言合したように立止って、その後姿を見送った。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
その代り山の手の芸者が売淫この時よりいよいよ公然黙許の形となり芸者連名帳にれいれいと枕金の高を書出す勢とはなりけり。まづ僕が多年の実歴を回想して市中
色町
(
いろまち
)
の盛衰を語るべし。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
色
常用漢字
小2
部首:⾊
6画
町
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
“色”で始まる語句
色
色彩
色々
色沢
色合
色紙
色艶
色褪
色気
色香