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艨艟
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もうどう
ふりがな文庫
“
艨艟
(
もうどう
)” の例文
夜が明けてみれば、昨夜の商船ばかりか、八十余艘の
艨艟
(
もうどう
)
が江上を圧している。荊州の守備兵はみな呆然とした顔つきで生捕られた。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
十二隻の
艨艟
(
もうどう
)
一縦列をなして、午後五時大同江口を離れ、伸びつ縮みつ竜のごとく黄海の
潮
(
うしお
)
を巻いて進みぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
末山大将の聯合艦隊は、二十世紀の無敵艦隊——あの三百隻の
艨艟
(
もうどう
)
を集めた米国大海軍を向うにまわして、苦しい苦しい悲壮な戦いをしなければならないのだ。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
大風
(
たいふう
)
の
颯々
(
さっさつ
)
たる、
怒濤
(
どとう
)
の
澎湃
(
ほうはい
)
たる、
飛瀑
(
ひばく
)
の
※々
(
かくかく
)
たる、あるいは洪水天に
滔
(
とう
)
して
邑里
(
ゆうり
)
を
蕩流
(
とうりゅう
)
し、あるいは両軍相接して弾丸
雨注
(
うちゅう
)
し、
艨艟
(
もうどう
)
相交りて水雷海を
湧
(
わ
)
かすが如き、皆雄渾ならざるはなし。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
遙
(
はる
)
かな暗い海のはてに、火を吐いて沈んでゆく
艨艟
(
もうどう
)
や、熱い砂地に
晒
(
さら
)
されている白骨の姿が、——それは、はっきりした映像としてではなく、何か
凍
(
い
)
てついた暗雲のようにいつも心を
翳
(
かげ
)
らせている。
秋日記
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
▼ もっと見る
計る! ご用心あれよ、城の方々! 今や猛虎野に出るのじゃ! よも安穏には眠れますまい!
艨艟
(
もうどう
)
数隻海にある! 時々我ら上陸いたす! 宗春公にもご用心、よくなさるよう申すがよい! やア
汝
(
おのれ
)
ら、鬨を
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
これは誰しも
忌
(
い
)
む大不吉にちがいない。間もなく連環の
艨艟
(
もうどう
)
はことごとく帆をめぐらし
舵
(
かじ
)
を曲げて、
烏林
(
うりん
)
の湾口ふかく引っ返してしまった。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかし、伊勢湾に集合した
艨艟
(
もうどう
)
を見たら、およそ想像がつくだろう。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
すでにして魏の
艨艟
(
もうどう
)
は
淮水
(
わいすい
)
に押し寄せ、附近の要地はその陸兵の
蹂躙
(
じゅうりん
)
に委されていると聞えた。
孫韶
(
そんしょう
)
は切歯して
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
夜は白みかけたが、濃霧のために水路の視野もさえぎられて、魏の
艨艟
(
もうどう
)
も、呉の大船陣も、互いに、すぐ目前に迫りあうまで、その接近を知り得なかった。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
艨艟
(
もうどう
)
の中にある細川
定禅
(
じょうぜん
)
の船上では、定禅をめぐッて、四国党の諸将が、はなはだしく、憤慨していた。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
十万の元兵、数百の
艨艟
(
もうどう
)
、すべてを日本に失ってから、さすがに
懲々
(
こりごり
)
したか、その後は
襲
(
や
)
って来なくなった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
龍鳳
(
りゅうほう
)
日月五色の旗をなびかせ、
白旄黄鉞
(
はくぼうこうえつ
)
の勢威をつらね、その光は眼もくらむばかりであったし、広陵の河沿いから大小の湖には、無数の
艨艟
(
もうどう
)
が燈火を
焚
(
た
)
いて
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
小癪
(
こしゃく
)
なる呉の舟艇、一気に江底の
藻屑
(
もくず
)
にせん、と怒り立って、そのおびただしい闘艦、大船の
艨艟
(
もうどう
)
をまっ黒に押し
展
(
ひら
)
き、天も
晦
(
くろ
)
うし、水の
面
(
も
)
もかくれんばかり
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
東南風
(
たつみかぜ
)
をうけて来るので、彼方の機船隊が近づいて来る速度は驚くほど
迅
(
はや
)
かった。すでに団々たる
艨艟
(
もうどう
)
は眼のまえにあった。——と、ふいに異様な声を出したのは程昱で
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
摂津
(
せっつ
)
の
花隈
(
はなくま
)
城陥落の日、この船手勢は、思いもうけぬ海上から霧を払ってあらわれ、
艨艟
(
もうどう
)
数十
艘
(
そう
)
を浜にならべて
軽舸
(
はしけ
)
を下ろし、たちまち川口から
溯
(
さかのぼ
)
って各所へ陸戦隊を上げ
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三百余艘の
艨艟
(
もうどう
)
は、淙々と、白波を切って、北岸へすすんで行った。——そのあとについて、
周瑜
(
しゅうゆ
)
、
程普
(
ていふ
)
の乗りこんだ旗艦の大躯も、颯々、満帆をはためかせながら動いてゆく。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“艨艟”の意味
《名詞》
いくさで使用する船舶。軍艦。いくさぶね。
(出典:Wiktionary)
艨
漢検1級
部首:⾈
19画
艟
漢検1級
部首:⾈
18画
“艨艟”で始まる語句
艨艟罷休