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舵
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ラタ
西も
東も
果しなき
大洋の
面では、
荒浪騷ぎ、
艇跳つて、とても
仔細かい
話などは
出來ない、かく
言ふ
間も
巨濤は、
舷に
碎けて
艇覆らんとす、
大尉舵をば
右方に
廻し、『
進!。』の
一聲。
水煙は
飛ぶ、
逆浪は
打込む、
見上ぐる
舷門の
邊、「ブルワーク」のほとり、
士官、
水兵頻りに
叫んで、
我が
艇尾の
大尉は
舵の
柄を
碎けんばかりに
握り
詰めて、
奈落に
落ち、
天空に
舞ひ