耳語さゝやき)” の例文
さうして宗助そうすけかほながめながら、泥棒どろぼうよと耳語さゝやきやつた。宗助そうすけ文庫ぶんこわたして仕舞しまへば、もうようんだのだから、おく挨拶あいさつはどうでもいとして、すぐかへらうかとかんがへた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
アヽ気の毒なことしたとだに思つて貰ふことがならぬではありませんか——何と云ふ不幸な私の鼓膜こまくでせう、『我は汝を愛す』と云ふ一語の耳語さゝやきをさへ反響さすることなしに
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
出す事ゆゑ忠八此金このかね算段さんだんせられよと申ければ忠八は打悦うちよろこび其金子かなら調達てうだついたすべしわたくし一ツの工夫くふうありとて清三郎に耳語さゝやきたの其夜そのよ油町あぶらちやう新道しんみち伊勢屋いせや三郎兵衞方へしのび入て金五百兩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見て非人共は耳語さゝやきあひ何と彼の座頭ざとうは幸手の富右衞門とやらの由縁ゆかりの人と見えるがどうだ少しでも酒代さかてもらつてくびやらうではないかと相談なしモシ/\御座頭おざとうさん高くは云れねへが首を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ふるひ宜しく申し爲し給ふべしと何か耳語さゝやきければ左仲は微笑ほゝゑみ此書面は貴殿の認められしことなれば我れ能々はらをさめて持參致し某し日頃の能辯のうべんを以て天晴上首尾じやうしゆび仕課しおほせ申すべしとて獨りほこがほに支度を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)