老母ろうぼ)” の例文
また松島まつしまでは、老母ろうぼ少女しようじよとがあはせてはうむつてありましたが、これはさだめし祖母そぼ孫娘まごむすめとが同時どうじ病死びようししたものをはうむつたものとおもはれます。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
ぼくんだら、帰還きかんしたとき、老母ろうぼ言伝ことづてをしてくれないか。」と、真剣しんけん調子ちょうしで、いいました。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ところが不幸な未必的みひつてき予感が当って、四月十四日の大空襲が来た。あっという間に四方は火になる。家には、八十五歳で身体不自由の老母ろうぼがあり、女の子などがいる。博雄も八歳である。
親は眺めて考えている (新字新仮名) / 金森徳次郎(著)
此地震このぢしん初期微動繼續時間しよきびどうけいぞくじかん七八秒程しちはちびようほどあつたようにおもはれる。各先生かくせんせいとも地震ぢしん感得かんとくせられるやいなや、本能的ほんのうてきそとされたが、はつといてみると老母ろうぼ屋内おくないのこされてあつた。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それで、ふと戦死せんしということがあたまかんだのだ。ぼくが、今日きょうにも戦死せんししたら、あとにのこった老母ろうぼに、ただ一言ひとことぼくが、勇敢ゆうかんたたかってんだといって、げてもらいたかったのだ。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ああ、なんでもいいさかずきだと、おとうさんはいっていられた。これをわらないように大事だいじになさいよ。これだけが、このうちたからだと、いってもいいんだから。」と、老母ろうぼはいいました。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのそばで、老母ろうぼのするのをていた子供こどもらは
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)