緊乎しつかり)” の例文
大降おほぶり小降こぶり幾度いくどあめれ、おまけに地震ぢしんにあつた、裾短すそみじか白絣しろがすりあかくなるまで、苦労くらうによれ/\のかたちで、くろ信玄袋しんげんぶくろ緊乎しつかりと、巌丈がんぢやう蝙蝠傘かうもりがさ
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
貴郎あなたさまだ、其時丁度ちやうど十二三の坊様が、長い刀を持ち出しなされて、とつちやんの復讐かたきうちに行くと言ひなさる、其れを今の粟野あはのに御座る伯母御様が緊乎しつかり抱き留めておすかしなさる——イヤもう
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
緊乎しつかりる、ときふ樣子やうすかはつて、をしばたゝいたのが、田舍ゐなかむすめには、十分じふぶんうれひいたから、惚拔ほれぬいてをとここと、おあき出來できうちにも考慮しあんして
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)