細々ほそ/″\)” の例文
……みづなかからともなく、そらからともなく、かすか細々ほそ/″\としたえるやうな、わかをんなこゑで、出家しゆつけんだ、とひます。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
廣庭ひろにはむいかまくちからあをけむ細々ほそ/″\立騰たちのぼつて軒先のきさきかすめ、ボツ/\あめ其中そのなかすかしてちてる。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
「叔母と言つた處で、年はまだ若い。くなつたお信乃の母親の妹で、出戻りになつて義兄にいさんの伊八の處に厄介になり、細々ほそ/″\と賃仕事なんかをやつて居るが、これがね、親分」
可哀氣かはいげに、苦勞くらうやみにわづらつて、おびをしめてもゆるむほど、細々ほそ/″\つてるものを、鐵槌かなづちつやうに、がん/\と、あたまへひゞくまでまをしましたわ。
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
細々ほそ/″\とした娘が榮右衞門の後ろから顏を出しました。お峯といふのださうで、主人榮右衞門の末の娘、若旦那の榮三郎の妹で、十八になる、病身らしいが、悧巧さうな少女でした。
お春は右の手で、左の肩を細々ほそ/″\と抱くのです。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)