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はんゐ
即ち
私の
言ふばけものは、
餘程範圍の
廣い
解釋であつて、
世間の
所謂化物は一の
分科に
過ぎない
事となるのである。
見ると、樓の内には、
噂に聞いた通り、幾つかの
屍骸が、
無造作に棄てゝあるが、火の光の及ぶ
範圍が、思つたより狹いので、
數は幾つともわからない。
恥らうて
漸く
手の
及ぶ
程度にカンテラの
光の
範圍から
遠ざからうとしつゝ
西瓜の一
片づつを
求める。
何故かと
言へば
日本は
前に
述べたやうに、
財政状態で
言へば
大正三
年から
今日まで一
般會計に
毎年公債が
計上されてある、
即ち
歳入の
範圍に
於て
歳出の
切盛が
出來て
居ない
私のばけものに
關する
考へは、
世間の
所謂化物とは
餘程範圍を
異にしてゐる。