立合たちあ)” の例文
「では、この試合しあい部門ぶもんに、なにびとがなんの立合たちあいにご出場しゅつじょうになるか、流名りゅうめいとご姓名せいめいとを、正直しょうじきにお書き入れねがいとうござる」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、王老師は、醤立合たちあいで、火葬炉のふたをぎりぎりばったんと開けてみた。すると、あら不思議、炉の中からは、依然たる姿の金博士がぬっと現われ
機関大佐横田文人ふみんど氏、の二人きり、それに博士と、龍介君に文子さんが助手役となって立合たちあうだけだった。
危し‼ 潜水艦の秘密 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
前に云うのを忘れたがこの母に比して父という人は評判の好人物であったのだ、婢女じょちゅうはなしかく気になるからみんな立合たちあった蒲団ふとんの下を見ると、はたせるかな、二通の遺言状が出た
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
わたくし拳鬪けんとう仕合しあひはことはあるが、まだやつたことは一もない、しか申込まうしこまれてはをとこ意地いぢ、どうなるものかと一ばん立合たちあつてたがれぬわざ仕方しかたがない、散々さん/″\つて
ベンヺ いや、しかけられたからは、立合たちあはうと返事へんじをせう。
それを他人たにんに知られたら、ひきょうな立合たちあいといわれて、徳川家とくがわけの名をけがすことになるが、いまはそんなことを顧慮こりょしていることはできない。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
どうして、あのチッバルトと立合たちあふことなぞが出來でけうぞい。
けれど、すでに、時刻じこくはせまる、検証けんしょう鐘巻一火かねまきいっか床几しょうぎにつく、見物けんぶつは鳴りをしずめて立合たちあいを待ちかまえている。……いておよばぬ場合ばあいである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)