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碇綱
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いかりづな
ふりがな文庫
“
碇綱
(
いかりづな
)” の例文
卯八は料理のため用意した出刄庖丁を取出すと、
碇綱
(
いかりづな
)
をブツリと切りました。あとは、
艪
(
ろ
)
に寄つて、馴れない乍ら一と押し、二た押し。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
水番
小舎
(
ごや
)
の付近に
繋留
(
けいりゅう
)
された小舟四隻に分乗して、湖心に
漕
(
こ
)
ぎ出しましたが、湖底へ
碇綱
(
いかりづな
)
を下ろす必要も何もありません。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
染八の
首級
(
くび
)
は、
碇綱
(
いかりづな
)
のように下がっている
撥
(
は
)
ね
釣瓶
(
つるべ
)
の縄に添い、落ちて来たが、地面へ届かない
以前
(
まえ
)
に消えてしまった。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
『
一同
(
いちどう
)
無事
(
ぶじ
)
か。』と
叫
(
さけ
)
んだのは、
懷
(
なつ
)
かしや、
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
の
聲
(
こゑ
)
、
同時
(
どうじ
)
に、
今
(
いま
)
一人
(
ひとり
)
乘組
(
のりく
)
んで
居
(
を
)
つた
馴染
(
なじみ
)
の
顏
(
かほ
)
の
水兵
(
すいへい
)
が、
機敏
(
きびん
)
に
碇綱
(
いかりづな
)
を
投
(
な
)
げると、それが
巧
(
うま
)
く
鐵檻車
(
てつおりくるま
)
の
一端
(
いつたん
)
に
止
(
とま
)
つたので
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
沖の鳥貝を掻く船を
指
(
ゆびさ
)
して、どの船も帆を三つずつ横向きにかけている。両端から二本の
碇綱
(
いかりづな
)
を延しているゆえ、帆に風を
孕
(
はら
)
んでも船は動かない。帆が張っているから碇綱は
弛
(
ゆる
)
まぬ。
千鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
▼ もっと見る
ここに一つの不可能が
為
(
な
)
しとげられたのだ。非常に
滑稽
(
こっけい
)
な空想が許されるならば、青眼鏡は、軽気球の
碇綱
(
いかりづな
)
にとりすがって、窓の所まで
下
(
くだ
)
って来た、とでも考える外には仕方がないのではないか。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
眼前には長い廊下のように続いた板敷がある。白く塗った通風筒がある。柱がある。
碇綱
(
いかりづな
)
を巻くための鉄製の器具がある。甲板の欄の線と
交叉
(
こうさ
)
して、上になり下になりして見える遠い水平線がある。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
卯八は料理のために用意した出刃庖丁を取出すと、
碇綱
(
いかりづな
)
をブツリと切りました。あとは、
艪
(
ろ
)
に寄って、馴れないながら一と押し、二た押し。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、何んと言つても年のせゐで、三吉を川へ抛り込んだ時は、もう栓が拔かれて、水が瀧のやうに入つて居ました。仕方が無いから、
碇綱
(
いかりづな
)
を切つて、滅茶々々に岸へ
漕
(
こ
)
ぎ寄せました
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お
燗番
(
かんばん
)
の
卯
(
う
)
八さんが、
碇綱
(
いかりづな
)
を切つて投げた庖丁が當つたんです」
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
碇
漢検準1級
部首:⽯
13画
綱
常用漢字
中学
部首:⽷
14画
“碇”で始まる語句
碇泊
碇
碇泊中
碇床
碇関
碇場
碇着
碇形
碇草
碇舶