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砂子
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すなご
ふりがな文庫
“
砂子
(
すなご
)” の例文
そして裏に立つ山に
湧
(
わ
)
き、処々に透く細い町に霧が流れて、電燈の
蒼
(
あお
)
い
砂子
(
すなご
)
を
鏤
(
ちりば
)
めた景色は、
広重
(
ひろしげ
)
がピラミッドの夢を描いたようである。
みさごの鮨
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
江戸に渡ったのはいつ頃か知らぬが、
享保
(
きょうほう
)
板の『続江戸
砂子
(
すなご
)
』に軽焼屋として浅草誓願寺前
茗荷屋
(
みょうがや
)
九兵衛の名が見える。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
張
(
は
)
ったばかりの
天井
(
てんじょう
)
にふんの
砂子
(
すなご
)
を
散
(
ち
)
らしたり、馬の
眼瞼
(
がんけん
)
をなめただらして
盲目
(
もうもく
)
にする
厄介
(
やっかい
)
ものとも見られていた。
蛆の効用
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「江戸
砂子
(
すなご
)
」には橋場の無源寺の鐘楼がくずれ落ちて、その釣鐘が淵に沈んだのであるともいっている。
鐘ヶ淵
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
松林の中にそれを置くと
樹洩
(
こも
)
れ
陽
(
び
)
に、
螺鈿
(
らでん
)
や
砂子
(
すなご
)
や
緋
(
ひ
)
の
房
(
ふさ
)
がかがやいて、
妖
(
あや
)
しいほど美しいのであった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
また
窓
(
まど
)
の外で足をふんばってそらを見上げて
鷺
(
さぎ
)
を
捕
(
と
)
るしたくをしているのかと思って、
急
(
いそ
)
いでそっちを見ましたが、外はいちめんのうつくしい
砂子
(
すなご
)
と白いすすきの
波
(
なみ
)
ばかり
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
夫人が奥で「水祝い」をする時には、金銀の
砂子
(
すなご
)
を紙に包んで注ぐこともある。
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
金色
(
こんじき
)
の
砂子
(
すなご
)
の光
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
昼も妻戸をほのぐらく垂れこめて、
青金
(
せいきん
)
の
砂子
(
すなご
)
のみが
妖美
(
あやし
)
く光るふすまの隅に、
薬湯
(
くすり
)
の番をしている
侍女
(
かしずき
)
たちも、そこを隔てた姫の部屋を
憚
(
はばか
)
るようにして、
低声
(
こごえ
)
に答えるのであった。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
金色
(
こんじき
)
の
砂子
(
すなご
)
の光
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
漆
(
うるし
)
と、
箔
(
はく
)
と、
砂子
(
すなご
)
と、うんげん
縁
(
べり
)
の畳と、すべてが、庶民階級の家には見馴れないものばかりで、
焚
(
た
)
きにおう
名木
(
めいぼく
)
のかおりが、
豪奢
(
ごうしゃ
)
に鼻をむせさせてくるし、飼い
鶯
(
うぐいす
)
の啼くねがどこかでしきりとする。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
砂
常用漢字
小6
部首:⽯
9画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“砂子”で始まる語句
砂子塗
砂子地
砂子塚
砂子浜