“知事(ちじ)” の例文
知事(ちじ)——其(そ)の三年前(ねんぜん)に亡(な)く成(な)つた事(こと)は、私(わたし)も新聞(しんぶん)で知(し)つて居(ゐ)たのです——其(そ)のいくらか手當(てあて)が殘(のこ)つたのだらうと思(おも)はれます。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
ハア、お一人は静岡(しづをか)の知事(ちじ)をなすツた関口(せきぐち)さん、お一人は御料局長(ごれうきよくちやう)の肥田(ひだ)さんで、お情交(なか)が好(い)いもんだから、何時(いつ)でも御一緒(ごいつしよ)で。岩「大層(たいそう)お忙(せわ)しさうで。 ...
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
其(そ)の頃(ころ)の近國(きんごく)の知事(ちじ)の妾(おもひもの)に成(な)りました……妾(めかけ)とこそ言(い)へ、情深(なさけぶか)く、優(やさし)いのを、昔(いにしへ)の國主(こくしゆ)の貴婦人(きふじん)、簾中(れんちう)のやうに稱(たゝ)へられたのが名(な)にしおふ中(なか)の河内(かはち)の山裾(やますそ)なる虎杖(いたどり)の里(さと)に
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
夜汽車(よぎしや)の火(ひ)の粉(こ)が、木(き)の芽峠(めたうげ)を螢(ほたる)に飛(と)んで、窓(まど)には其(そ)の菖蒲(あやめ)が咲(さ)いたのです——夢(ゆめ)のやうです。………あの老尼(らうに)は、お米(よね)さんの守護神(まもりがみ)——はてな、老人(らうじん)は、——知事(ちじ)の怨靈(をんりやう)ではなかつたか。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)