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目釘
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めくぎ
ふりがな文庫
“
目釘
(
めくぎ
)” の例文
二度目に後藤の刀の
目釘
(
めくぎ
)
が抜けて、その刀が飛んだ。そこで中井が受けた。中井は受けそこねて、頭部を斬られながらその場に倒れた。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
太郎左衛門は
床
(
とこ
)
の
刀架
(
かたなかけ
)
にかけた刀をおろして、それを半ば抜いてちょと眼を通し、それが済むと
目釘
(
めくぎ
)
に注意して寝床に
就
(
つ
)
いた。
切支丹転び
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「切って切って切り
捲
(
ま
)
くる時節がいよいよ到来しましたかな」数馬は元気よくこう云いながらそっと刀の
目釘
(
めくぎ
)
をしめす。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
なんでもいい、人さえ斬れるところなら、どこへでも顔を出したい丹下左膳、もう濡れ燕の
目釘
(
めくぎ
)
にしめりをくれて、伊賀の暴れん坊とさきをあらそう。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
待てと土方の声がかかった時分には、既に刀の下緒は襷に
綾
(
あや
)
どられ、愛刀志津三郎の
目釘
(
めくぎ
)
は
湿
(
しめ
)
されていた。
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
そのうちに僕たちはあのラマルティーヌという小路へやって来た。そこには、重ねて
目釘
(
めくぎ
)
を打った切石が試験的に敷いてあるのだ。ここへ来ると君の顔は晴れやかになった。
モルグ街の殺人事件
(新字新仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
まるで、成っていない刀の味だったが、
気概
(
きがい
)
は偉い、意気は愛すべしだ——と思って、今日は、貴公の訪問を、実は、
目釘
(
めくぎ
)
をしめして待ちかまえていたのに。——勝負もせず、帰るのか
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
気が付いて見ると、槍の
目釘
(
めくぎ
)
の穴には、
強靱
(
きょうじん
)
な細い
紐
(
ひも
)
が結んであり、その紐に引かれて、槍の穂は欄間の蔀に引きあげられ、やがてそこから手が出て、器用に外へ引出してしまいました。
銭形平次捕物控:282 密室
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
刀の
下緒
(
さげお
)
を取りまして
襷
(
たすき
)
といたし、裏と表の
目釘
(
めくぎ
)
を
湿
(
しめ
)
し、養父相川新五兵衞から譲り受けた藤四郎吉光の刀をさし、主人飯島平左衞門より形見に譲られた天正助定を
差添
(
さしぞえ
)
といたしまして
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼は刀の
目釘
(
めくぎ
)
をしめし、草履をぬいで足袋はだしになった。
葦は見ていた
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
闇黒
(
やみ
)
に、何やらシットリとしめった空気が流れている。
鎬
(
しのぎ
)
から
棟
(
むね
)
、
目釘
(
めくぎ
)
へかけて、生温かい血でぬらぬらする大刀濡れ燕を、枯れ細った左手に構えた左膳は
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
比べてみたところが、実によいあんばいに、元のそちらの刀の鞘へはまるのです、
目釘
(
めくぎ
)
の穴までが、ピタリと合うのは
誂
(
あつら
)
えたようですから、少し手を入れて、中身を
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
孝助は
仮令
(
たとえ
)
如何
(
いか
)
なる
災
(
わざわい
)
があっても、それを恐れて一歩でも
退
(
しりぞ
)
くようでは大事を仕遂げる事は出来ぬと思い、刀に
反
(
そり
)
を打ち、
目釘
(
めくぎ
)
を
湿
(
しめ
)
し、
鯉口
(
こいぐち
)
を切り、用心堅固に身を固め、四方に心を配りて参り
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
盃が
巡廻
(
じゅんまわ
)
りになる、随分急でもあるし、命がけの仕事にかかる前だが、至って落着きすましたもの、屋敷の金を残らず分配して各〻肌につけ、そろそろ刀の
目釘
(
めくぎ
)
を改め、足拵えにかかっていると
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
目釘
(
めくぎ
)
がない」
銭形平次捕物控:067 欄干の死骸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「だが、しっかり、
目釘
(
めくぎ
)
を
湿
(
しめ
)
していておくんなさいね」
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
守人はひそかに刀の
目釘
(
めくぎ
)
を湿した。
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「親方、
目釘
(
めくぎ
)
を外してもいいかね」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
目
常用漢字
小1
部首:⽬
5画
釘
漢検準1級
部首:⾦
10画
“目”で始まる語句
目
目的
目出度
目前
目標
目貫
目覚
目論見
目下
目論