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生立
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おいたち
ふりがな文庫
“
生立
(
おいたち
)” の例文
さまでに世の中の事というものが分らない
生立
(
おいたち
)
が、
馴染
(
なじ
)
むに従って知れれば知れるほど、梓は
愛憐
(
あいれん
)
の情の深きを加えた。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お勢の
生立
(
おいたち
)
の有様、
生来
(
しょうらい
)
子煩悩
(
こぼんのう
)
の孫兵衛を父に持ち、他人には薄情でも我子には眼の無いお政を母に持ッた事ゆえ、幼少の折より
挿頭
(
かざし
)
の花、
衣
(
きぬ
)
の裏の玉と
撫
(
な
)
で
愛
(
いつくし
)
まれ
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
何時
(
いつ
)
も編年体であって其人物の
生立
(
おいたち
)
から筆を立てゝ、事実を順序正しく書くものですから、最初から悪人、善人、盗賊と知れて了って、読者を次へ/\と引く力が無い。
探偵物語の処女作
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
お雪はまだ其本名をも其
生立
(
おいたち
)
をも、問われないままに、
打明
(
うちあけ
)
る機会に遇わなかった。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
だが、勝川のおばさんの
生立
(
おいたち
)
をきくと無理はなかった。彼女としては、女中同様に追廻して使った姪に、さんの字をつけてよぶだけでさえ
小癪
(
こしゃく
)
にさわる——そうした気風の彼女だった。
旧聞日本橋:10 勝川花菊の一生
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
あの野郎の
生立
(
おいたち
)
から国を出るまでのことを残らず知ってるのが俺だ、俺にああされてあの野郎には文句が言えねえ筋があるんだ、俺にああされたから野郎は本望ぐれえに心得ていやがるだろう
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
天狗
(
てんぐ
)
の
姿
(
すがた
)
も
不思議
(
ふしぎ
)
でございますが、その
生立
(
おいたち
)
は一
層
(
そう
)
不思議
(
ふしぎ
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
子女幼時の記事又私の
考
(
かんがえ
)
に、人間は成長して後に自分の幼年の時の
有様
(
ありさま
)
を知りたいもので、他人はイザ知らず私が自分で
左様
(
そう
)
思うから、筆まめな事だが私は小供の
生立
(
おいたち
)
の模様を
書
(
かい
)
て置きました。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
これが鹽原多助の
生立
(
おいたち
)
でございます。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
母はもとより天道の
大御心
(
おおみこころ
)
には
協
(
かな
)
わぬ
生立
(
おいたち
)
、自分の体を
牲
(
にえ
)
にして、そして
神仏
(
かみほとけ
)
の手で、つまり
幽冥
(
ゆうめい
)
の間に蝶吉の身を救ってやろう、いずれ
母娘
(
おやこ
)
が、揃って泥水稼業というは
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“生”で始まる語句
生
生命
生憎
生活
生涯
生々
生垣
生物
生温
生死