“獨活(うど)” の例文
新字:独活
お氣の毒樣なこつたが獨活(うど)の大木は役にたゝない、山椒は小粒で珍重されると高い事をいふに、此野郎めと脊を酷く打たれて
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
思(おも)ひの儘(まゝ)に枝葉(えだは)を擴(ひろ)げた獨活(うど)の實(み)へ目白(めじろ)の聚(あつま)つて鳴(な)くのが愉快(ゆくわい)らしくもあれど、何(なん)となく忙(いそが)しげであつて
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
後、庭に降りて筧の前で顏を洗つて居ると爺さんは青々とした野生の獨活(うど)を提げて歸つて來た。斯んなものも出てゐたと言ひながら二三本の筍をも取出して見せた。
山寺 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
紫蕨(ぜんまい)であるとか、獨活(うど)、土筆、よめ菜、濱防風(はまばうふ)であるとか、楤(たら)の芽、山椒の芽であるとか、菜の莟であるとか、竹の子であるとか、野蜀葵(みつば)であるとか、菠薐草(はうれんさう)であるとか
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
山牛蒡、山獨活(うど)、山人參、山蕗(ふき)、ことに自然薯が旨かつた。秋の十月の末から初冬の頃になると、山の人達は、それを掘つたのを背負籠に負つて、そして町の方へと賣りに來た。
日光 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
獨活(うど)を煮て晝餉を食す。余老來好んで菜蔬を食す。蠶豆、莢豌豆、獨活、慈姑の如きもの、散歩の際これを路傍の露店又は農家について購ふことを得べし。東京の人に比すれば幸多しと云ふべし。
荷風戦後日歴 第一 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
山面を遠くから雲のやうに白く棚曳き降りて來た獨活(うど)の花の大群生が、湖面にまで雪崩れ込んでゐる裾を、黄白の野菊や萩、肉色の虎杖(いたどり)の花、女郎花と、それに混じた淡紫の一群の花の、うるひ、薊(あざみ)
榛名 (旧字旧仮名) / 横光利一(著)
お氣(き)の毒樣(どくさま)なこつたが獨活(うど)の大木(たいぼく)は役(やく)にたゝない、山椒(さんしよ)は小粒(こつぶ)で珍重(ちんちよう)されると高(たか)い事(こと)をいふに、此野郎(このやらう)めと脊(せ)を酷(ひど)く打(う)たれて
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
虎杖(いたどり)を取つたり(これは一夜漬の漬物に恰好である)、獨活(うど)を掘つたりしてその歸りを待つのである。
山寺 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
獨活(うど)の野生の若いのをもまたさうしてたべる。これは然し、ほんの一つか二つ、初物として見出でた時に用ゐらるゝ料理法でもある。つまり非常に珍重してたぶる謂(いひ)である。
家のめぐり (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)