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『榛名』
ふりがな文庫
『
榛名
(
はるな
)
』
眞夏の日中だのに褞袍を着て、その上からまだ毛絲の肩掛を首に卷いた男が、ふらふら汽車の中に這入つて來た。顏は青ざめ、ひよろけながら空席を見つけると、どつと横に倒れた。後からついて來た妻女が氷嚢を男の額にあてて、默つて周圍の客の顏を眺めてゐる。 …
著者
横光利一
ジャンル
文学 > 日本文学 > 日記 書簡 紀行
初出
「中央公論」1922(大正11)年1月
文字種別
旧字旧仮名
読書目安時間
約19分(500文字/分)
朗読目安時間
約32分(300文字/分)
作品に特徴的な語句
父
(
と
)
索
(
さが
)
氷屋
(
ひや
)
獨活
(
うど
)
花魁
(
おいらん
)
薊
(
あざみ
)
虎杖
(
いたどり
)
褞袍
(
どてら
)