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猫撫声
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ねこなでごえ
ふりがな文庫
“
猫撫声
(
ねこなでごえ
)” の例文
旧字:
猫撫聲
しかも娘の
思惑
(
おもわく
)
を知ってか知らないでか、
膝
(
ひざ
)
で前へのり出しながら、見かけによらない
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
で、初対面の
挨拶
(
あいさつ
)
をするのでございます。
運
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
可哀
(
かわい
)
そうに! (
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
で、彼女は、彼の髪の毛の中に手を通し、それをひっぱる)——涙をいっぱい
溜
(
た
)
めてるよ、この子は……。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
私共には眼尻に
皺
(
しわ
)
をよせて、
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
でものをいう主人が、召使いに対すると、こうも
横柄
(
おうへい
)
になるものかと、私は少からず
悪感
(
あくかん
)
を
催
(
もよお
)
しました。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
を出し、ああ、皆田さん、あんたも達者で何よりで、と彦太郎も応じて、むかつく気持を押えかねながら、顔は笑顔になって、
会釈
(
えしゃく
)
した。
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
会議の時に
金壺眼
(
かなつぼまなこ
)
をぐりつかせて、おれを
睨
(
にら
)
めた時は
憎
(
にく
)
い奴だと思ったが、あとで考えると、それも赤シャツのねちねちした
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
よりはましだ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
換言すれば若い女を見ると、直ぐ
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
になって、半可な文学論か、仕入の悪い映画通を並べて殆んど無技巧にその心を捉える
術
(
すべ
)
を心得ているのでした。
奇談クラブ〔戦後版〕:14 第四次元の恋
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「二言目には、七兵衛さん、七兵衛さんと、
馴々
(
なれなれ
)
しくおっしゃるが、どうしてまた、わしの名前までそう軽々しく御承知だえ。その
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
が油断がならねえ」
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「才兵衛さんや、」わが子にさんを附けて
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
で呼び、「人は
神代
(
かみよ
)
から着物を着ていたのですよ。」
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
折々は魔法みたいな事をして
愚民
(
ぐみん
)
を驚かしたそうだ、始終
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
をして
女子供
(
おんなこども
)
を手なずけたそうだなど、その他あらゆる悪口をもって、彼は見事に失敗したなどといったであろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
狡猾
(
こうかつ
)
な
企
(
たくら
)
みを胸に隠して紋十郎は
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
で白痴の粂太をそそのかすのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「厄介だよ。あの女にかかると今までも随分厄介な事がだいぶあった。
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
で長ったらしくって——
私
(
わし
)
ゃ
嫌
(
きらい
)
だ」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今日の道庵の
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
が大へんに気味が悪いのです。米友にとっては、
女軽業
(
おんなかるわざ
)
のお角というものが苦手であるとは違った呼吸で、この道庵もまた苦手であります。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「いかにおぬしが
揣
(
おしはか
)
ろうともの、人間の力には天然自然の限りがあるてや。悪あがきは思い止らっしゃれ。」と、
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
を出しましたが、急にもう一度大きな眼を仇白く見開いて
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
私が九月のはじめ、甲府から
此
(
こ
)
の三鷹の、畑の中の家に引越して来て、四日目の昼ごろ、ひとりの百姓女がひょっこり庭に現われ、ごめん下さいましい、と卑屈な
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
を発したのである。
善蔵を思う
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
「
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
! そりゃ、どんな声をいうんだい?」
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
八五郎が
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
で戸を叩くと
銭形平次捕物控:116 女の足跡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と部屋中をぎょろりと見まわして、それから急に
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
で
禁酒の心
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
といって暫く休み、いやに
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
で
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
障子の外から
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
がしました。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と
猫撫声
(
ねこなでごえ
)
で
大菩薩峠:27 鈴慕の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
猫
常用漢字
中学
部首:⽝
11画
撫
漢検準1級
部首:⼿
15画
声
常用漢字
小2
部首:⼠
7画
“猫撫”で始まる語句
猫撫
猫撫聲