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片割
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かたわれ
ふりがな文庫
“
片割
(
かたわれ
)” の例文
真実の私の過去は、やはり呉一郎と
双生児
(
ふたご
)
で、幼い時に何かの理由で別れ別れになっていたその
片割
(
かたわれ
)
かも知れないのだ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
謂ってみりゃ支那人の
片割
(
かたわれ
)
ではあるけれど、婦人だから、ねえ、おい、構うめえと思って
焚火
(
たきび
)
であっためてやると
活返
(
いきけえ
)
った李花てえ
女
(
むすめ
)
で、
此奴
(
こいつ
)
がエテよ。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
たとい
敵
(
かたき
)
の
片割
(
かたわれ
)
数人を切殺すとも、目指す敵の蟠龍軒を討洩らし、其の儘相果て申すも残念至極でござります故、瓦をめくり草の根を分けても彼を尋ね
出
(
いだ
)
し
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
甲野さんは静かに茶碗を
卸
(
おろ
)
して、首を心持藤尾の方へ向け直した。藤尾は来たなと思いながら、
瞬
(
またたき
)
もせず窓を通して
映
(
うつ
)
る、イルミネーションの
片割
(
かたわれ
)
を専念に見ている。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ホラ、君はもう忘れたのかい。例の有名な君の
片割
(
かたわれ
)
だよ、
双生児
(
ふたご
)
の片割だよ。菰田
源三郎
(
げんざぶろう
)
さ」
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
やうやう昇れる
利鎌
(
とかま
)
の月は
乱雲
(
らんうん
)
を
芟
(
か
)
りて、
逈
(
はるけ
)
き
梢
(
こずゑ
)
の
頂
(
いただき
)
に
姑
(
しばら
)
く掛れり。
一抹
(
いちまつ
)
の
闇
(
やみ
)
を透きて士官学校の森と、その中なる兵営と、その隣なる町の
片割
(
かたわれ
)
とは、
懶
(
ものう
)
く寝覚めたるやうに
覚束
(
おぼつか
)
なき形を
顕
(
あらは
)
しぬ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
吉原のおはぐろ
溝
(
どぶ
)
のほの暗き中に光れる櫛の
片割
(
かたわれ
)
短歌
(旧字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
いつて見りや
支那人
(
チャン
)
の
片割
(
かたわれ
)
ではあるけれど、婦人だから、ねえ、おい、構ふめえと思つて
焚火
(
たきび
)
であつためて遣ると
活返
(
いきけえ
)
つた李花てえ
女
(
むすめ
)
で、
此奴
(
こいつ
)
がエテよ。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
やはり「キの字」の
片割
(
かたわれ
)
らしいぞ。眼付き
風付
(
ふうつ
)
き何やらおかしい。非人乞食に劣らぬ姿で。道のほとりに
鞄
(
かばん
)
を投げ出し。
駄声
(
だごえ
)
はり上げ木魚をチャカポコ。昼の
日中
(
ひなか
)
に外聞
晒
(
さら
)
す。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
自分は親戚の
片割
(
かたわれ
)
として、お貞さんの結婚式に列席するよう、父母から命ぜられていた。その日はちょうど雨がしょぼしょぼ降って、婚礼には似合しからぬ
佗
(
わ
)
びしい天気であった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今夜孝助様に
斬殺
(
きりころ
)
されるのも心がら、天罰で
手前達
(
てめえたち
)
は
当然
(
あたりまえ
)
だが、坊主が憎けりゃ袈裟までの
譬
(
たとえ
)
で、
此奴
(
こいつ
)
も
敵
(
かたき
)
の
片割
(
かたわれ
)
と己までも殺される事を
仕出来
(
しでか
)
すというは、不孝不義の犬畜生め、
只
(
たった
)
一人の
兄妹
(
きょうだい
)
なり
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
屋根裏の窓に引っかかっている春の夜の黄色い
片割
(
かたわれ
)
月を見上げながら、洗い
晒
(
さら
)
しの綿ネルの
単衣
(
ひとえ
)
一枚に細帯を一つ締めて、三階の物置の片隅に敷いてある薄ッペラな寝床から脱け出した。
継子
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
割
常用漢字
小6
部首:⼑
12画
“片割”で始まる語句
片割月