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燕
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つばくら
ふりがな文庫
“
燕
(
つばくら
)” の例文
ひとり次郎ばかりではない。あの女のまなざし一つで、身を滅ぼした男の数は、この炎天にひるがえる
燕
(
つばくら
)
の
数
(
かず
)
よりも、たくさんある。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
処はジル湖の大部を占める、
榛
(
はしばみ
)
の林に掩はれた、平な島の岸である、其傍には顔の
赭
(
あか
)
い十七歳の少年が、蠅を追つて静な水の面をかすめる
燕
(
つばくら
)
の群を見守りながら坐つてゐる。
春の心臓
(新字旧仮名)
/
ウィリアム・バトラー・イエイツ
(著)
帽子を被らない頭の髪は丁寧にちぢらせてある。体にぴつたり着いた黒服には、長い
燕
(
つばくら
)
の尾のやうな裾が付いてゐる。一方の隠しから大きな、白いハンケチが出掛かつてゐる。
十三時
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
洋妾
(
らしやめん
)
の長き
湯浴
(
ゆあみ
)
をかいま見る黄なる
戸外
(
とのも
)
の
燕
(
つばくら
)
のむれ
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
燕
(
つばくら
)
や水田の風に吹かれ顔
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
▼ もっと見る
日の光は、相変わらず目の前の往来を、照り
白
(
しら
)
ませて、その中にとびかう
燕
(
つばくら
)
の羽を、さながら
黒繻子
(
くろじゅす
)
か何かのように、光らせている。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
燕
(
つばくら
)
や水田の風に吹かれ顔
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
その馬の影が、黒く地面に焼きついた上を、
燕
(
つばくら
)
が一羽、ひらり羽根を光らせて、すじかいに、
空
(
そら
)
へ舞い上がった。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ましてその
河下
(
かわしも
)
にある部落には、もう
燕
(
つばくら
)
も帰って来れば、女たちが
瓶
(
かめ
)
を頭に載せて、水を汲みに行く
噴
(
ふ
)
き
井
(
い
)
の
椿
(
つばき
)
も、とうに点々と白い花を濡れ石の上に落していた。——
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
苔蒸
(
こけむ
)
した
井筒
(
いづつ
)
に
溢
(
あふ
)
れる水を
素焼
(
すやき
)
の
甕
(
かめ
)
へ落していたが、ほかの女たちはもう水を
汲
(
く
)
み
了
(
お
)
えたのか、皆甕を頭に載せて、しっきりなく飛び
交
(
か
)
う
燕
(
つばくら
)
の中を、家々へ帰ろうとする所であった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
どことなく LIFELIKE な湖水の水に変わるまで、水は松江を縦横に貫流して、その光と影との限りない調和を示しながら、随所に空と家とその間に飛びかう
燕
(
つばくら
)
の影とを映して
松江印象記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼等は
倭衣
(
しずり
)
の肩を並べて、絶え間なく飛び
交
(
か
)
う
燕
(
つばくら
)
の中を山の方へ歩いて行った。後には若者の投げた椿の花が、
中高
(
なかだか
)
になった噴き井の水に、まだくるくる廻りながら、流れもせず浮んでいた。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
燕
漢検準1級
部首:⽕
16画
“燕”を含む語句
燕尾服
燕麦
燕子花
海燕
岩燕
如燕
燕巣
燕京
燕丹
燕麥
燕子
燕路
燕府
飛燕
燕尾
燕雀
燕返
燕人
燕枝
日柳燕石
...