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然云
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さうい
何卒是非一つ
聽いて
頂きたい、と
云ふのは、
實は
然云ふ
譯であるから、
寧君は
病院に
入られた
方が
得策であらうと
考へたのです。
『
外部だとか、
内部だとか……。いや
私には
然云ふ
事は
少しも
解らんです。
私の
知つてゐる
事は
唯是丈です。』と、
彼は
立上り、
怒つた
眼で
院長を
睨み
付ける。
然云ふ
譯では
無いのです、
其れは
貴方が
苦痛を
嘗めて、
私が
嘗めないといふことではないのです。
詮ずる
所、
苦痛も
快樂も
移り
行くもので、
那樣事は
奈何でも
可いのです。