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無作法
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ぶさほう
ふりがな文庫
“
無作法
(
ぶさほう
)” の例文
他の火星人は、先生と丸木とをとおまきにして、つっ立っている奴もあれば、
無作法
(
ぶさほう
)
にもごろんと地面に寝そべっている者もあった。
火星兵団
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
普通の会の時のように、
無作法
(
ぶさほう
)
なふるまいは見受けられなかったけれども、それでも多少込み合うので、女は
坐
(
すわ
)
ったなり席を立たないのがあった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
いかに印刷が容易なればとてこんな本を出版し自己の
狭隘
(
きょうあい
)
なる趣味をもって他人に
強
(
し
)
いんとするは
無作法
(
ぶさほう
)
の
仕業
(
しわざ
)
なりという人あらん。されどあえて答う。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「そんなひよりげたで庭へはいっちゃいかん、雨あがりの庭をふみくずしてしまうじゃないか。どうも
無作法
(
ぶさほう
)
なやつじゃなあ、こら、いかんというに……」
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
この
女
(
ひと
)
は、どっか大きな
家
(
とこ
)
の娘で、病気——ばかのようなので、髪を
断
(
き
)
らして遊ばせてあるのだろう、だから、あんなに
無作法
(
ぶさほう
)
なのだと——そう思えたほど
旧聞日本橋:19 明治座今昔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
「お目どおりいたすものは、根来小角ともうすものです。
今日
(
こんにち
)
は
雑人
(
ぞうにん
)
どもが、
礼
(
れい
)
をわきまえぬ
無作法
(
ぶさほう
)
をいたしましたとやら、ひらにごかんべんをねがいまする」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いま開け放しておいた
襖
(
ふすま
)
から七つ八つの、いずれも穏かならぬ
面
(
かお
)
がさいぜんから現われて、この
無作法
(
ぶさほう
)
な浪士の後援をつとめていたのがいま
一斉
(
いっせい
)
に
弥次
(
やじ
)
り出した。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ほかのものがかれの
位置
(
いち
)
に
置
(
お
)
かれたのだったら、きっとわたしにそれをたずねたであろうけれども、カピはそんな
無作法
(
ぶさほう
)
をするには、あんまりよくしつけられていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
煙草すぱすぱ
長煙管
(
ながギセル
)
に
立膝
(
たてひざ
)
の
無作法
(
ぶさほう
)
さも
咎
(
とが
)
める人のなきこそよけれ。
桑中喜語
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
大麦は苅られ、小麦は少し色づき、馬鈴薯や
甘藷
(
さつまいも
)
、
草箒
(
くさほうき
)
などが黒い土を
彩
(
いろ
)
どって居る。其間を
太
(
ふと
)
いはりがねを背負って二本ずつ並んで西から北東へ
無作法
(
ぶさほう
)
に走って居るのが、東京電燈の電柱である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
茂兵衛 俺あ
無作法
(
ぶさほう
)
だ。仁義は受けねえ。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
それがどうである、産土の境地の一端をけずって
無作法
(
ぶさほう
)
にまっすぐに、しかも広く高く砂利まで敷いてある。
落穂
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
主人のうちへ来てこんな大きな声と、こんな
無作法
(
ぶさほう
)
な真似をやるものはほかにはない。迷亭に
極
(
きま
)
っている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると迷亭は「イヨー
大分
(
だいぶ
)
肥
(
ふと
)
ったな、どれ」と
無作法
(
ぶさほう
)
にも吾輩の
襟髪
(
えりがみ
)
を
攫
(
つか
)
んで宙へ釣るす。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ふうん」と
和尚
(
おしょう
)
は腕組を始めた。
裄
(
ゆき
)
が短かいので太い
肘
(
ひじ
)
が
無作法
(
ぶさほう
)
に見える。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
風流を盛るべき
器
(
うつわ
)
が、
無作法
(
ぶさほう
)
な十七字と、
佶屈
(
きっくつ
)
な漢字以外に日本で発明されたらいざ知らず、さもなければ、余はかかる時、かかる場合に臨んで、いつでもその無作法とその佶屈とを忍んで
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そりゃ本ものかい」と主人は
無作法
(
ぶさほう
)
な質問をかける。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“無作法”の意味
《名詞》
物事の礼儀や作法を知らないこと。本来の礼儀から外れていること。
(出典:Wiktionary)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
作
常用漢字
小2
部首:⼈
7画
法
常用漢字
小4
部首:⽔
8画
“無作法”で始まる語句
無作法身