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為様
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しやう
ふりがな文庫
“
為様
(
しやう
)” の例文
旧字:
爲樣
「おら、もうどうしてもいやな気がして
為様
(
しやう
)
がないんだ、あれがお父さんかと思ふと、実に変な気がして、ほんとにならんのだもん!」
父の帰宅
(新字旧仮名)
/
小寺菊子
(著)
『暑いでせう外は。
先刻
(
さつき
)
から眠くなつて/\
為様
(
しやう
)
のないところだつたの。』と富江は椅子を薦める。年下の弟でも
遇
(
あしら
)
ふ様な素振だ。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
(
為様
(
しやう
)
がないねえ、)といひながら、かなぐるやうにして、
其
(
そ
)
の
細帯
(
ほそおび
)
を
解
(
と
)
きかけた、
片端
(
かたはし
)
が
土
(
つち
)
へ
引
(
ひ
)
かうとするのを、
掻取
(
かいと
)
つて
一寸
(
ちよいと
)
猶予
(
ためら
)
ふ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
藤本は来年学校を卒業してから行くのだと聞いたが、どうしてそんなに早く成つたらう、
為様
(
しやう
)
のない野郎だと舌打しながら
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「僕ア知るものか、為れた方なんだもの。蔭口を利いたとか利かぬとか云ふ、言訳するにも
為様
(
しやう
)
の無い馬鹿々々しい問題だから、僕は
打遣
(
うつちや
)
つて置く事に決めた。」
茗荷畠
(新字旧仮名)
/
真山青果
(著)
▼ もっと見る
いかんとも
為様
(
しやう
)
がないとさう書いてくれ。……そして物をいふと、それだけ疲労するから、静かにしてゐると書いて呉れ、医者もさういつてゐるし、それが己には薬だ
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
一体ヱネチアと云ふ土地ではさうせずにはゐられぬ事になつてゐる。君も己もヱネチアの子だから
為様
(
しやう
)
が無い。二人の
痴戯
(
ちき
)
を窮めるのを見て、レオネルロは
微笑
(
ほゝゑ
)
んだ。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
どうも如何んとも
為様
(
しやう
)
がないです。考へれば考へる程むづかしくなりますからね。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
せられても、
為様
(
しやう
)
がありませんよ。こんな事はいつでも当人から漏れる。磯貝は自分のインテレストがあるから、口外する筈がない。恐らくは大勢の女の患者に同じやうな事をするのだらう。
魔睡
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
『
俺
(
わし
)
の処の六角時計ですな、あれが何うも時々針が止つて
為様
(
しやう
)
がないのですが、役場に持つて来たら直して貰へるでせうな?』
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
慾張抜
(
よくばりぬ
)
いて
大急
(
おほいそ
)
ぎで
歩
(
ある
)
いたから
咽
(
のど
)
が
渇
(
かは
)
いて
為様
(
しやう
)
があるまい
早速
(
さつそく
)
茶
(
ちや
)
を
飲
(
のま
)
うと
思
(
おも
)
ふたが、まだ
湯
(
ゆ
)
が
沸
(
わ
)
いて
居
(
を
)
らぬといふ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
彼奴
(
あいつ
)
の
事
(
こつ
)
た、橋の方へでも行つてブラ/\してるだらう。それより俺は頭が痛くて
為様
(
しやう
)
がないから、寝かして呉れよ。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
為様
(
しやう
)
のない
横着
(
わうぢやく
)
な児で、今迄健の受持の二年級であつたが、外の教師も生徒等も、校長の子といふのでそれとなく遠慮してゐる。健はそれを、人一倍厳しく叱る。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
新時代の青年が
那麽
(
あんな
)
古いものを崇拝してちや
為様
(
しやう
)
が無いね。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
『ええ、さうでせう。
真個
(
ほんと
)
に
為様
(
しやう
)
がない。』
道
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
為
常用漢字
中学
部首:⽕
9画
様
常用漢字
小3
部首:⽊
14画
“為様”で始まる語句
為様事