為様しやう)” の例文
旧字:爲樣
「おら、もうどうしてもいやな気がして為様しやうがないんだ、あれがお父さんかと思ふと、実に変な気がして、ほんとにならんのだもん!」
父の帰宅 (新字旧仮名) / 小寺菊子(著)
『暑いでせう外は。先刻さつきから眠くなつて/\為様しやうのないところだつたの。』と富江は椅子を薦める。年下の弟でもあしらふ様な素振だ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
為様しやうがないねえ、)といひながら、かなぐるやうにして、細帯ほそおびきかけた、片端かたはしつちかうとするのを、掻取かいとつて一寸ちよいと猶予ためらふ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
藤本は来年学校を卒業してから行くのだと聞いたが、どうしてそんなに早く成つたらう、為様しやうのない野郎だと舌打しながら
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「僕ア知るものか、為れた方なんだもの。蔭口を利いたとか利かぬとか云ふ、言訳するにも為様しやうの無い馬鹿々々しい問題だから、僕は打遣うつちやつて置く事に決めた。」
茗荷畠 (新字旧仮名) / 真山青果(著)
いかんとも為様しやうがないとさう書いてくれ。……そして物をいふと、それだけ疲労するから、静かにしてゐると書いて呉れ、医者もさういつてゐるし、それが己には薬だ
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
一体ヱネチアと云ふ土地ではさうせずにはゐられぬ事になつてゐる。君も己もヱネチアの子だから為様しやうが無い。二人の痴戯ちきを窮めるのを見て、レオネルロは微笑ほゝゑんだ。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
どうも如何んとも為様しやうがないです。考へれば考へる程むづかしくなりますからね。
せられても、為様しやうがありませんよ。こんな事はいつでも当人から漏れる。磯貝は自分のインテレストがあるから、口外する筈がない。恐らくは大勢の女の患者に同じやうな事をするのだらう。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わしの処の六角時計ですな、あれが何うも時々針が止つて為様しやうがないのですが、役場に持つて来たら直して貰へるでせうな?』
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
慾張抜よくばりぬいて大急おほいそぎであるいたからのどかはいて為様しやうがあるまい早速さつそくちやのまうとおもふたが、まだいてらぬといふ。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
彼奴あいつこつた、橋の方へでも行つてブラ/\してるだらう。それより俺は頭が痛くて為様しやうがないから、寝かして呉れよ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
為様しやうのない横着わうぢやくな児で、今迄健の受持の二年級であつたが、外の教師も生徒等も、校長の子といふのでそれとなく遠慮してゐる。健はそれを、人一倍厳しく叱る。
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
新時代の青年が那麽あんな古いものを崇拝してちや為様しやうが無いね。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『ええ、さうでせう。真個ほんと為様しやうがない。』
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)