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滅茶
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めちゃ
ふりがな文庫
“
滅茶
(
めちゃ
)” の例文
一番不可解なことは、それだけ持って行けばよさそうなものを、盗った後の器械を床にぶちつけて、
滅茶
(
めちゃ
)
苦茶に壊してあることである。
硝子を破る者
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
地震のような
家鳴
(
やなり
)
が次に起った。ふすまも障子も
滅茶
(
めちゃ
)
滅茶に踏みあらして、更に、
座敷
(
ざしき
)
の真ん中へ、樽神輿を
抛
(
ほう
)
りだしたのである。
鍋島甲斐守
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
資本主義も社会主義も有りはしない、そんなことは昼寝の夢に彫刻をした
刀痕
(
とうこん
)
を談ずるような
埒
(
らち
)
も無いことで、何も彼も
滅茶
(
めちゃ
)
滅茶だった。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
他の客も、山崎の意見の
滅茶
(
めちゃ
)
苦茶なのに
呆
(
あき
)
れながら、しかし、いまのこの場合、原田にお収めを願うのは最も無難と思ったので
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
妾は非常な
権幕
(
けんまく
)
で、二階へ上がってきたのだが、あんまり思いがけない言葉をきいたので拍子抜けがして、予定のプログラムが
滅茶
(
めちゃ
)
々々になった。
オパール色の手紙:――ある女の日記――
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
▼ もっと見る
こんなに遅く、戸を叩いたりして外聞が悪いからと言うもんだから、まあ
宥
(
なだ
)
めて家まで送りとどけたんだけれど、自動車のなかで
滅茶
(
めちゃ
)
苦茶にキスされちゃって……。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
そして、その言葉がいまにも自分の身内へ飛び込んできて、自分の心臓を
滅茶
(
めちゃ
)
めちゃに噛み荒らすような気がするのだった。紀久子の心臓は熱病患者のように燃えながら顫えた。
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
クリストフは、楽長が
滅茶
(
めちゃ
)
な演奏に気づいて、管弦楽をやめさせ、初めからやり直さしてくれるだろうと、しいて思い込もうとした。もはや各楽器がいっしょに鳴ってはいなかった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
クイックシルヴァはパーシウスの、自分ではどうすることもできない活発さを面白がりました。そして、まあそう
滅茶
(
めちゃ
)
に急がないで、
隠兜
(
かくれかぶと
)
を待っていなくちゃいけないよ、と言いました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
何ぼわたしが
滅茶
(
めちゃ
)
だって、今更重ちゃんをそっちのけにして外の男と一緒になろうなんてそんな事は夢にも考えたことはないわ。浮気は浮気で、本心から迷うなんてことは決してないわ。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
現に今でも君の方から先にあの青年を『自分と
双生児
(
ふたご
)
に違いない』なぞと信じて来られると、吾輩の話の筋道がスッカリこんがらがって
滅茶
(
めちゃ
)
になって
終
(
しま
)
うから
一寸
(
ちょっと
)
予防注射をこころみた訳さ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ドールン まあまあまあ、君……そんな
滅茶
(
めちゃ
)
な。……いけないなあ。
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
とどめのかわりに周馬とお十夜がまたひと太刀ずつ万吉へ
滅茶
(
めちゃ
)
うちを浴びせた。どこをかすったか、周馬の刀はピクリとしたかれの満顔を
紅
(
くれない
)
にしてすてて行った。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると、あの人は突然、妾の首にとびついて、左の耳のあたりに
滅茶
(
めちゃ
)
々々に
接吻
(
キッス
)
したかと思うと
華やかな罪過
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
耳ざとい都の人にはいち早くこの珍妙の裁判の
噂
(
うわさ
)
がひろまり、板倉殿も
耄碌
(
もうろく
)
したか、紛失の金子の行方も調べずに、ただ
矢鱈
(
やたら
)
に十人を
叱
(
しか
)
って太鼓をかつがせお宮参りとは、
滅茶
(
めちゃ
)
苦茶だ
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
御蔭
(
おかげ
)
で三年の後半期の試験の方は
滅茶
(
めちゃ
)
苦茶になってしまって、随分成績も悪かったらしい。講義なども半分近く失敬したようである。この方は先生に知れると
叱
(
しか
)
られるので、なかなか苦心をした。
寺田先生の追憶:――大学卒業前後の思い出――
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
わたしはすぐに死なねばなりませんし、折角ここまでしのんでかくしおおせてきた秘密があばかれては、夫の名誉も
滅茶
(
めちゃ
)
々々になってしまうのですから、お話はそれっきりです。
或る探訪記者の話
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
たしかに笑って、すっと消えた。僕は起きてカアテンをはねのけて見たが、何も無い。へんてこな気持だった。
寝呆
(
ねぼ
)
けたのかしら。いくらマア坊が
滅茶
(
めちゃ
)
な女だって、まさか、こんな時間に。
パンドラの匣
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
『師匠、と、とんでもない。……
滅茶
(
めちゃ
)
だ、そんなお体で』
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
南無八幡大菩薩
(
なむはちまんだいぼさつ
)
、不動明王
摩利支天
(
まりしてん
)
、べんてん大黒、
仁王
(
におう
)
まで
滅茶
(
めちゃ
)
苦茶にありとあらゆる神仏のお名を
称
(
とな
)
えて、あわれきょう一日の大難のがれさせ
給
(
たま
)
え、たすけ給えと念じて
眼
(
め
)
のさき真暗
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
滅茶
(
めちゃ
)
滅茶に踏みにじられては、乱戦を
展
(
ひろ
)
げて行く。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「乱心? それあ、また
滅茶
(
めちゃ
)
だ。僕は
艶聞
(
えんぶん
)
か何かだと思っていた。ばかばかしい。見たら、わかるじゃないか。どこから、そんな噂が出たのだろう。ははあ、わかった。叔父さんの宣伝だな?」
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
滅
常用漢字
中学
部首:⽔
13画
茶
常用漢字
小2
部首:⾋
9画
“滅茶”で始まる語句
滅茶滅茶
滅茶苦茶
滅茶々々