渡錢わたしせん)” の例文
脚絆きやはんきれまゝあさあしくゝけた。れも木綿もめんつた頭陀袋づだぶくろくびからけさせて三かは渡錢わたしせんだといふ六もんぜにれてやつた。かみあさむすんで白櫛しろぐししてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
工事こうじ箇所かしよへは廿もあつた。勘次かんじけばすぐぜにになるとおもつたのでやうやく一ゑんばかりの財布さいふふところにした。辨當べんたうをうんと背負しよつたので目的地もくてきちへつくまでは渡錢わたしせんほかには一せんらなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)