“わたしせん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
渡船銭66.7%
渡錢33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そうか、高い渡船銭わたしせんだな」といいながら、八人前三十二銭渡して岸にあがると、岸上の立札にはあきらかに一人前一銭ずつと書いてある。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
十里四方には人らしい者もないように、船をもやった大木の松の幹に立札たてふだして、渡船銭わたしせん三文とある。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
脚絆きやはんきれまゝあさあしくゝけた。れも木綿もめんつた頭陀袋づだぶくろくびからけさせて三かは渡錢わたしせんだといふ六もんぜにれてやつた。かみあさむすんで白櫛しろぐししてつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
工事こうじ箇所かしよへは廿もあつた。勘次かんじけばすぐぜにになるとおもつたのでやうやく一ゑんばかりの財布さいふふところにした。辨當べんたうをうんと背負しよつたので目的地もくてきちへつくまでは渡錢わたしせんほかには一せんらなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)