)” の例文
究竟つまり名義だけあればよろしいので、私の方では十分貴方を信用してをるのですから、してその連帯者に掛らうなどとは思はんのです。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
して厭だとは言いません。厭だとは言いやしない。これからでも飛んで行って、先生に話をして結納を持って帰りましょう。」
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
私は私で相變あひかはらず貧乏世帶びんばふじよたいりになやまされてゐます。けれど私達はしてそれをいることはなかつたと思ひます。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
それはしてないが、叔母だて……ハテナ叔母だて。叔母はああいう人だから、おれが免職になッたと聞たら急にお勢をくれるのが厭になッて、無理に彼娘あれへかたづけまいとも言われない。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
こはして宮の冷淡ならざるを証するに足らざるなり、ゆゑは、この女夫めをと出入しゆつにゆうに握手するは、夫の始より命じて習せししつけなるをや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それ見ろ。そういう糞慈悲を垂れやあがる。おれが帰るまでうむといわなけりゃ、して下してやることはならないと、あれほど言置いて行ったじゃないか。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
三百円やそこらの端金はしたがね貴方あなたの御名誉をきずつけて、後来御出世の妨碍さまたげにもなるやうな事を為るのは、私の方でもして可好このましくはないのです。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
またお役所の事なんか、お墓のおっかさんもそう云いました。蔦がどんな苦労でもたのしみにしますから、お世帯向はして御心配なさいますなって、……云ってましたよ。
湯島の境内 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「飛んだ事を! 夫人おくさん、廉平がここにるです。して、して、そんな間違まちがいはさせんですよ。」
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大目に見ておあげなすって下さいまし。蔦吉さんもあだな気じゃありません。して早瀬さんのお世帯の不為ふためになるような事はしませんですよ。一生懸命だったんですから。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
貴方の大事なお師匠さま、真砂町まさごちょうの先生、奥様、お二方を第一に、御機嫌よう、お達者なよう。そして、可愛いお嬢さんが、して決して河野こうのなんかと御縁組なさいませんよう。
湯島の境内 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
してそれは脈を取って貰うには当らんです。で、ただ国手の口一つだなあ。」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)