水茶屋みづぢやや)” の例文
う、かど酒屋さかやへだてられて、此處こゝからはえないが、やまのぼ坂下さかしたに、がけしぼ清水しみづがあつて、手桶てをけけて、眞桑まくは西瓜すゐくわなどをひや水茶屋みづぢややが二けんばかりあつた……それも十ねん一昔ひとむかしる。
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あたり公園こうゑんひろいけあり。ときよし、かぜよしとて、町々まち/\より納涼すゞみひとつどふ。わらべたち酸漿提灯ほゝづきぢやうちんかざしもしつ。みづともしびうつくしきよるありき。みぎはちひさふねうかべて、水茶屋みづぢやや小奴こやつこ莞爾にこやかに竹棹たけざをかまへたり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)