のたまは)” の例文
尤も居留木ゐるぎ角左衞門といふ、恐しく頑丈な浪人者は一人住んでゐるが、これは近處の子供を集めて手習ひからのたまはくを教へて居る結構人で
かつテ山東洋ニ問フテ曰ク、我、君ニつかフルコト三年、技進マズ、其ノ故如何。洋子のたまはク、吾子ごしすべからク多ク古書ヲ読ミ、古人ト言語シテ以テ胸間ノ汚穢おえヲ蕩除スベシ。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
いつはしらの皇子みこ次を以て相盟ふこと先の如し。然して後に天皇のたまはく、朕がこども各異腹にして生る。然れども今ひとつ母同産おもはらからの如くてめぐましむ。則ちみそのひもひらきて、その六皇子を抱きたまふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
子ののたまはくと、何のことやら訳の分らぬことを棒読にして来た、素読の稽古から、家へ返るが否や、またもや客間へお辞儀に出て、しびれを切らさねばならないのかと思ふと、それがいやさに
冬の夜がたり (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
主ののたまはく。みまし指もて、そのみほとに置け。
希臘十字 (新字旧仮名) / 高祖保(著)
乙酉きのととり、天皇皇后及び草壁皇子尊くさかべのみこのみこと大津皇子おほつのみこ高市皇子たけちのみこ河島皇子かはしまのみこ忍壁皇子おさかべのみこ芝基皇子しきのみこみことのりしてのたまはく、れ今日なんぢ等とともおほばちかひて、千歳の後に事無からむとほりす。奈之何いかに
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
その隣は浪人者で居留木ゐるぎ角左衞門といふ四十男。武藝の方は知りませんが、學問は相當で、晝のうちは町内の子供を集めて、手習からのたまはくなんてのを教へて居る。尤もおそろしい鳥目で、夜は碁を
よりて以て盟ひてのたまはく、若しちかひたがはば、たちまちに朕が身をうしなはむ。皇后の盟ひたまふことた天皇の如し。丙戌ひのえいぬ車駕すめらみこと宮にかへり給ふ。己丑つちのとうし、六皇子共に天皇を大殿おほとのの前に拝みたまふ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
先刻さつき言つたぢやありませんか、のたまはくの先生のお妾——」