放題はうだい)” の例文
案内者あんないしやがついてゐます。御串戲ごじやうだんばかり。……洲崎すさき土手どてあたつたつて、ひとふねせば上總澪かづさみをで、長崎ながさき函館はこだてわた放題はうだい
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「誰かゞ、あなたをも一度人間らしくして差上げるときですわ。」く長い伸び放題はうだいになつた頭髮を分けながら、私は云つた。
蘿月らげつは若い時分じぶんしたい放題はうだい身を持崩もちくづした道楽だうらく名残なごりとて時候じこう変目かはりめといへば今だに骨の節々ふし/″\が痛むので、いつも人よりさきに秋の立つのを知るのである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
フロツクコオトを着て山高ぼうかぶつた姿は固陋ころうな在所の人を驚かした。再び法衣を着たことは着たが、ながの留守中放題はうだいに荒れた我寺わがてらさまは気にも掛けず格別修繕しようともせぬ。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
したいた白毛布しろけつとうへには、所狭ところせまのみかんなちらかり放題はうだい
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)